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宮崎駿引退

 町工場の職人が引退会見をした。本人がそう言いました。

 文化的なアニメーション映画と町工場をどう理解すればいいか、海外のメデイアの人々は当惑しているだろう。しかし、此処に、日本の伝統的な鳥獣戯画から連続する深いアニメーションや漫画の伝統を感じる。

 昔、日本では文字を理解出来ない人々が多く存在した、その人々に深い話を伝える手段として、巻物に連続する絵を描き細かい内容を伝える文化が生れた。源氏物語絵巻などは、先週Eテレで勉強したが、登場人物の細かい精神状態を色んな描画手法を駆使し、表現しようとしてる事を学んだ。

 これは、日本だけでなく海外でも教会や博物館を訪問すれば判るが、一般大衆にキリスト教を伝える絵巻物のようなものを散見した。世界共通の発想なんだけど、日本では何故か現代の宮崎駿に繋がる漫画やアニメーションの文化を育んだ。

言語で伝えるのは正確だし、間違いが存在しない。しかし、絵や絵巻物にすると観る人のイマジネーションが重なり、色んな解釈が生れてくる。どうも、日本人には信貴山縁起や源氏物語絵巻や鳥獣戯画の方が一般大衆の心に染み込んだ文化となったのではないだろうか。

 江戸時代の浮世絵も広重の絵は大胆不敵、凄まじい動きがあり、動画をみているようです。綿々と日本人にはこのような『作り手』と『受け手』の素晴らしい切磋琢磨が蓄積されたのではないだろうか。

 宮崎さんが最初居られた、東映動画、当時は月岡貞夫さんという『狼少年 ケン』を製作した大御所がいた筈です。私は梶山君の紹介で何回か月岡さんとお会い出来、アニメーションの基本について御教授して頂いた。その頃、東アジアの昔話のアニメーション番組を制作しようという企画があり、私も少し関係させていただいた。この世界には素人ですが、日本人の深い伝統の力を感じておりました。

 芸術家に引退は無いといいます、しかし、宮崎駿の映画製作の手法では肉体的・精神的な限界が存在するだろうと同情します。

先日、横浜の映画館で観た『風立ちぬ』これが、最後の作品となりました。本当に御苦労さんでした。

 

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