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富士山周遊紀行 感想

 世界文化遺産に登録された富士山とその周辺、今回、白糸の滝、朝霧高原、本栖湖、精進湖、富岳風穴、西湖、富士スバルライン、富士山五合目・小御嶽神社、河口湖、北口(きたぐち)本宮富士浅間神社、忍野(おしの)八海、山中湖と巡る旅でした。

 参考 富士山周遊の旅

 富士講

 ガイドさんの話では、世界最初の旅行会社は日本の『講』という組織だそうです。伊勢講、富士講、熊野講、御嶽講、白山講、・・・・・・等々と室町時代から存在するそうです。

 簡単に私の理解する範囲で説明しますと、神聖な山の登山口には神社があり、その神社の周りに宿坊を備え御師(御祈祷師の略)と呼ばれる、百姓と神官の中間に位置するような旅行会社の従業員みたいな人々が存在する。彼らは、地方を廻り各地の村に○○講という無尽のような金を集める組織を作り、毎年、村人から集めた金を使用し、富士山を参拝旅行出来る人を撰んだ。

 御師はそれらの人々を無事に富士山参拝に添乗員として付き添い、御師が手配する宿を利用し、浅間神社のお札を村人全員の分を貰い、村に帰る楽しいツアーだったそうだ。そういえば、伊勢神宮を参拝した時もそんな御師の話(伊勢講)を聴いた。精進落としという名の遊郭もこれらの名所近くに栄えたのも事実だそうです。

 参考 お伊勢さん参拝記(目次編)

 日本人は昔から団体旅行が好きだったという話ですが、土地に縛られた百姓が土地を離れ、他の土地を見聞するなど幕府側は心配だったでしょうね。従い、管理された団体旅行しかも信仰の名のもとだけを許可し通行手形を発給したのかも知れない。これも、藩毎差異があるでしょうね。

 忍野八海という場所はガイドさんの話では、土地が溶岩だらけで痩せていて、稲作などは程遠い貧乏な村落だったそうです。しかし、富士講のお陰で御師という職業が成立し、『御師の八海』がなまり、現在の忍野八海となったのではないでしょうか。

 ところで、世界最古の旅行会社という話ですが、私は十字軍以降のテンプル騎士団の方が古いのではないかと推測しています。彼らは聖地エルサレム巡礼の為に参詣路の安全保全や為替の発明、等々行い、欧州の多くのキリスト教徒が無事にエルサレムに参拝旅行できる仕組みを作り、各地域の商業を保全し巨万の富を蓄積したと、スペイン・ポルトガル紀行で知りました。

 ともあれ、日本でも古い時代から旅行をする人と旅行会社が存在した事は事実のようですね。富士山の複数の登山口には浅間神社が存在し、富士山山頂のお釜に投げられたさい銭の分配を巡り争いがあったそうです。

最後に、忍野八海は冬の季節も写真家にはとても人気があるようです、一度、雪が積もる冬に出かけてみたいと思いました。

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