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倭六県(やまとの むつの みあがた)

 奈良盆地の歴史地名で重要な『倭六県』の場所を記しておきます。典拠は、『古代「おおやまと」を探る』 伊達宗泰篇(学生社)に依ります。律令制以前の重要な場所を示しています。

 『日本書紀』大化元年(645年)八月の詔と、『延喜式』巻第八(祝詞・広瀬大忌祭=ひろせの おほいみの まつり)中に見られ、同祈年祭(としごひのまつり)と六月月次祭(みなづきの つきなみの まつり)の祝詞中には「高市・葛木・十市・志貴・山邊・曽布と御名は白して」と具体的に地域が示されているそうだ。(伊達宗泰)

此れは歴史的に御県が尊重すべきものと認識が古代から存在したからである。

 1.高市御県神社

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 橿原市四条町小字宮ノ坪。飛鳥川・高取川・曽我川の水支配地域と考える。

 2.葛木御県神社

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 新庄町大字葛木。葛城川・高田川とそれに合流する諸支流の水支配地域。

 3.十市御県坐神社

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 橿原市十市町小字中殿。寺川の水支配地域。

 4.志貴御県坐神社

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 桜井市大字金屋。初瀬川とそれに注ぐ諸支流の水支配地域。

 

 5.山邊御県坐神社

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 天理市西井戸堂町大門。布留川水支配地域。

 6.添御県坐神社(二カ所、歌姫町と三碓町)

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 曽布は二カ所候補地が存在する。1ヶ所は奈良市歌姫町、もう一ヶ所は奈良市三碓町である。佐保川・秋篠川の水支配地域。

 伊達宗泰氏の考えは以下のようである。

 奈良盆地周辺山地より流出する河川に水源を求め、その水により灌漑を受ける地域をその川の水支配地域として、まとまりのある一つの地域として考え事が出来る。古代の県という領域と河川水支配地域の関連から上記『倭六県』はヤマトの発祥を考える上で重要である。

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