エネルギー政策報道
昨日のNHKクローズアップ現代の番組はエネルギー政策を採り上げていた。内容は実に判り易く私の頭の中が良く整理される事となりました。特に米国におけるシェールガスの発掘技術の開発成功が今後の百年の世界のエネルギー状況及び安全保障戦略を激変させると力説されていた。
米国が中東の石油に依存しなくてよい世界が展開する事が日本の中東依存の石油政策に大きな課題を与えると言う。即ち石油タンカーが無事に日本と往復出来るか、米国が中東から撤退すると誰が日本のタンカーを守るかという将来の課題です。
日本が輸入する天然ガスの原価が米国のシェールガスの6倍も7倍もするのでは今後の産業基盤が根底から揺らぐ事になりますね、事実、現実今、そうなっている。
ロシアは膨大なパイプラインを欧州に張りめぐらし資源大国として成立しているが、番組ではドイツが値下げ要求を掲げ、ロシアは今の儘では将来欧州市場だけでは生きて行けないという。緊急の課題のロシアはアジアの市場を開拓する必要があるという、特に資源の無い日本がターゲットであるという。
ハバロフスクと樺太に天然ガスを液化する施設を建設し東シベリアのガス田からパイプラインを建設し日本に供給し、将来減少する欧州市場を日本を中心にカバーしようとする戦略だそうです。番組ではこの話に乗るべきであると結論していました。その理由は、エネルギー資源の供給元を危険分散化すべきであるという戦略です。
韓国は既にTPPに加盟し米国から原価3ドルの安価なシェールガスを輸入する契約を4年後から始まるという。そして、原子力発電所も十基以上建設する計画を進めているらしい。国の産業の基盤であるエネルギー政策は着々と出来ている。韓国は日本の六ヶ所村の原子力に関わる設備を韓国に誘致する提案をIAEAに提案してるそうだが、世界は韓国が原爆を持つ可能性を懸念し、なかなか、国際社会から賛同を得れていないと報道。
このシェールガスの世界最大の埋蔵量を持つのは中国だそうだ。しかし、中国があまり報道しなのはまだシェールガス発掘の技術開発の問題と埋蔵地が辺境地域に集中してる事かも知れない。しかし、シェールガスは豊富に中国は持っている事に変わらない。
今回の報道で、一番有益だったのはドイツに関する報道でした。ドイツは脱原発を表明し茨の道を歩き始めました。しかし、その背景に既に電力源が分散し小さな電力源が無数に散らばっても送電線の網が既に出来上がっているという事実です。残念ながら日本は電力会社が地域で別れ、電力会社が異なる地域同士は網の目のような送電線は張り巡らされいない。特に、北海道と東北は貧弱だそうです。
風力発電や地熱発電、ガス発電、太陽光発電、等々を30%近くまで伸ばすなら、先ず、送電線の網の構成から考える必要がありそうだ。即ち、昔メインフレーム中心にスター型に張りめぐらされたネットワークを分散型にアーキテクチャを変革しインターネットのような送電線網を作りあげないと駄目という事のようです。
地域に一つの電力会社が存在し其処で発電され放射状に電力が配られる仕組みその物を根本的に変革しなければならない。インターネットのように分散型にサーバーが発電設備であり、且つ、消費する設備かもしれない。網の目のような送電線網であり消費網です。一番急がれるのは、この網の変革ではないだろうか。将来は誰でもが発電し供給元となり又、消費者ともなる電力網の建設です。
私は地熱発電や洋上での風力発電や波動発電という自然エネルギーを利用する発電技術を世界をリードする技術大国として頑張って欲しいと思います。幸い、地熱発電のタービンの特殊鋼は硫化水素で侵されない素晴らしい鋼材を日本は誇っている筈です。
日本の近海に豊富に埋蔵が確認されているメタンハイドレートはパンドラの箱であり、固定化された二酸化炭素を空中に放出するので、克服すべき課題も多い。しかし、エネルギー源としては膨大な資源と考えられています。
昨夜の番組は一時的な感情に流されない冷静に世界のエネルギー問題を取り扱った優れた番組でした。軽薄な人々が集まりしょうもない議論をしてる番組は昨日のNHKのクローズアップ現代を鏡にして欲しい。
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