今年は巳年 蛇神信仰
今年は巳年ですね、年賀状には沢山の人々が思い思いの蛇神さまを描いておられました。巳年と言えば母が巳年生まれでしたから、生きていれば108歳でしょうか。父はネズミですから113歳ですね。もう遥か昔に鬼籍に入りました。
蛇神さまと言えば大神神社(おおみわ じんじゃ)ですね、祭神は大物主さん、正体は蛇神さまです。奥さんになったヤマトトトビモモソヒメ、即ち箸墓古墳に埋葬されたお姫さんとの悲しい説話で有名ですね。私は毎年、東京で開催される大神神社さんが主催される三輪山セミナーに皆勤で出席しています。
蛇を神と崇める風習は世界中に存在していますね、私の経験から少しご紹介してみます。
① 大物主
大国主、オオナムチさん、色んな名前を持っていますが本体は蛇神さまです。蛇は農耕民にとり大敵のネズミを捕獲してくれるし、水田でも稲の生育に邪魔するものどもを捕獲してくれる。例えば水田に穴を開けるモグラ君なども蛇が食べてくれる。そして、何より、脱皮する事で永遠に生命を繋ぐ生き物だと尊ばれたふしがあります。
神社の注連縄(しめなわ)も二匹の蛇が性交している姿であるという説も有りますね。古くは、長江流域の稲作地帯で信仰された伏義(ふぎ)と女媧(じょか)の蛇身人首の神が存在しています。下半身は蛇でお互い巻きついて描写されていますね。彼らが手に持つコンパスと定規は日本の古墳から出土する銅鏡のモチーフとしても伝播しています。
②弁天様と蛇
先日、爺さん4人組で鎌倉の銭洗い弁天さまを参拝しましたが、この弁天様は古代インドの川の神(水神)でしたから、蛇が弁天様のお使いとなりました。
③ククルカン
マヤの最高神は『羽根を持つ蛇神様』ククルカンです。アステカでもケツァルコアトルと呼ばれている蛇神様がいます。そういえば、今年の正月のテレビの番組で私のチチェン・イッツアのピラミッドに降臨するククルカンの写真を使用させて下さいと、番組の関係者からメールを頂いていました。
④メドゥーサ
ギリシャ神話に登場する髪の毛が蛇の怪物のそら恐ろしい女神です。彼女の目を観ると石にされてしまうという恐ろしい神です。確か彼女は森の神で森を伐採する農耕民と戦った本当は自然を守る素晴らしい女神さんなんです。そして、彼女は敗れ、森で覆われたガリアの地は開拓され牧草地や畠となりました。
どうも、ギリシャ神話やユダヤ教、キリスト教、イスラム教では蛇は敵のようですね。嫌われているようです。今やギリシャは剥げ山となりました、森が失われたのです。イスラエルの土地も昔はレバノン杉の森が拡がっていたのです。
⑤ナーガ
インドの蛇神様で頭が5つあります。ベトナム中部のチャンパ遺跡やアンコール遺跡、タイの遺跡、スリランカの遺跡、インド等々の遺跡を歩きましたが、沢山のナーガ像を観察出来ました。仏教では釈迦の守護神とされてしまいましたが、本来は独立の蛇神様でした。私はスサノオが退治したヤマタノオロチは実は古代インドのナーガ信仰を持つ人々が縄文時代に渡来しており、その後、弥生時代末期に渡来した朝鮮半島系の遊牧民との戦争だった可能性を考えています。
参考 蛇神ナーガの前にて
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