インド紀行 その3 謎のインダス文明と日本人の祖先
承前 インド紀行 その2 デリー地区遺跡(1) 世界遺産フマユーン廟
今回の話は夢のような空想ですから、適当に聞き流して貰いたいです。話は、世界四大文明の一つである、インダス文明は我々日本人の祖先が携わっていたというトンデモナイ仮説です。多分、今の所は私だけの仮説でしょうね。
・インダス文明概要(宮崎市定さんの『アジア史概説』より)
モヘンジョダロ遺跡及び上流の五河地方の位置にあるハラッパ遺跡の発掘により、今から5千年以前を中心に前後約5百年に渡り展開した金石併用時代の都市の遺跡がインダス文明と呼ばれている。完備した浴場を持ち、道路は舗装され下水も敷設されていた。武器、玩具その他の器物の状態からそうとう高度な文明を所有していたらしい。
夥しい数の印章が発掘され、そこに文字が刻まれておりインダス文字と呼ばれているが、未だ解読されていません。シバ神の原型のような像が発見され、印章に牝牛が彫られているので、現代のヒンドゥー教の原型が存在していたと想像される。
この文明を担った民族は不明だが、中央アジアの原野で放浪していたアーリア人が紀元前1500年頃に侵入し先住民族を追い散らし又、混血し現代のインド人を形成したと考えられる。先住民としては、現在もインド南部に在住するドラヴィダ族である可能性が高い。
・ドラヴィダ族
インダス文字を研究する学者で、インダス文字は現在のインド南部及びスリランカ北部を中心に存在するドラヴィダ言語族ではないかと仮説がでている。彼らは古モンゴロイドと考えられている。約2億人の人口を抱えるらしいが、又、多くの語族に細分される。問題はその中にタミル語が存在する事です。
タミル語を話す民族はタミル人と呼ばれインド最南部東地区と、英国が紅茶を栽培する労働力としてタミル人をスリランカ北部のプランテーションに移住させた。
・タミル語は日本語のルーツ説
御存知、タミル語は日本語の起源であると仮説を述べるのが大野晋さんですね。
彼は『日本語の起源』(岩波新書)にてタミル語が日本語の起源であると比較言語学から仮説をの述べています。
日本語の起源』 新版 大野 晋 岩波新書 ISBN4-00-430340-0 700円 1994年6月 第一刷発行
(扉)
日本語とはどこに起源を持つ言葉なのか。 旧版(1957年刊)では答え得られなかったこの問いに、数多くの単語、係り結びや五七五七七の短歌の形、お米や墓などの考古学的検証、さらにカミ、アハレ、サビなど日本人の精神を形作る言葉の面から古代タミル語との見事な対応関係を立証して答え、言語と文明の系統論上に決定的な提起を行う。
(目次)
第一章 同系語の存在
1. 探索のはじまり
2. 探索の方法
3. 南インドのタミル語を選択する
4. 単語の対応ーー 語根の比較
5. 文法の比較
6. 五七五七七の韻律
第二章 対応語と物の世界
1. 稲作のはじまり
2. 墓と墓地
3. グラフィテイと記号文
4. 金属の使用
5. 機織のはじまり
第三章 対応語と精神の世界
1. 生活の慣習
2. 精神の世界の支点
3. 精神生活の根幹
第四章 南インドの言語・文明と日本・朝鮮
1. 日本語とタミル語の同系
2. 私の説に対する質疑
この本は梅安さんに勧められて、購入した。NHKでも番組が企画されたと聞いています。インドの南端東部とスリランカ北部の地域の人々が日本語と同系統の言語を持つ。
人の移動無くては実現不可であり、遥か太古において海のシルクロードを通じ交流があったと考えざるを得ません。
古代インドにアーリア人の侵入が起こり、海のシルクロードに活路を開いたと著者は語る。縄文晩期に彼等は日本に辿り着いたとみる。それにしても、雄大なロマンである。
という訳で、インダス文明を築いた民族の一部がアーリア人に追われ、マレー半島から東南アジアを経由し日本列島に伝播した可能性があります。
アーリア人がインドに侵入する以前から存在したと考えられる神話であるヴェーダの神々と神話で世界創造の話が日本の記紀神話で述べる話と似ているのが気になります。ヴェーダでは乳海攪拌と呼ばれています、日本ではイザナギ・イザナミ神が天沼矛を海に突き刺し攪拌し、その矛の先から垂れた島々が日本列島となる神話です。ヒンドゥー教でも同じですね、アンコール・ワットに行けば壁面レリーフに乳海攪拌の模様が神々が二手に分かれ綱引きをする格好で世界創造をしている様子を観れます。
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