日本の文化財保護に思う
日本列島は島ではなく世界有数の大山脈である
最近、何気なく教育テレビを観ていると高校生向けの教育番組に出合った。地学というのでしょうか、地球物理なのでしょうか、講師の次の言葉が新鮮でした。
『世界にはヒマラヤ山脈や欧州のアルプスに代表される大山脈があります。その条件は大昔に海底であった事、そしてそれが地殻変動により褶曲や断層を起こし海面から上昇し数千㌔に及ぶ山脈となったものである。
日本列島は南北2千㌔に及ぶ昔の海底面が地殻変動で海面上に押し上げられ、褶曲し断層し、海底から1万㌔の高さを持つ世界有数の大山脈なのです。島というよりも、ヒマラヤに匹敵する大山脈なのです。』
そうか、日本海溝は6千㍍以上の深さを持つ海底である事を考えると富士山は1万㍍以上と考える事ができるのだ。という事は、我々はヒマラヤの6千㍍、7千㍍当たりで暮らしているんだ。海底から観るとこんな風に考えられ、海抜という考えでは数多くの島と見えるだけなのだ。
上野の国立博物館
上野の国立博物館には沢山の外国人旅行客が訪問している。彼らは、大英博物館やルーブル博物館などの海外の博物館に馴染であろうと思います。そんな彼らは上野の国立博物館を見学してどう思うだろうか、少し、心配になります。例えば、国宝の部屋を見学すればほんの僅かしか国宝が展示されていない。え?日本の文化財はこんなレベルなのかと、思わないだろうか?
日本の文化財で国宝となっている物を眺めると、殆どが寺社仏閣の建造物であり、且つ彫像や絵画でも寺社仏閣が保有している。だから、日本全国、とりわけ京都・奈良を訪問しなければ観る事が出来ない。又、公開されるのも限られているかも知れない。正倉院御物も何年かに渡り順次公開されているのが実情である。
欧米の人々は文化財は国民のものであり公開が前提であると考えているのではないだろうか。日本では宗教と絡んだ文化財は難しい、法隆寺の秘仏もフェノロサという西洋の文化財思想の人が公開した歴史がある。
日本の文化財は殆どが寺社仏閣が千年以上守って来た歴史も事実である。博物館なんて、信用しない思想も存在するのではないだろうか。
上野の国立博物館に来る外国人に対して、日本の重要文化財とりわけ、国宝については日本全国の地図を表示し、カテゴリー別に何処に行けば観れるか、観れないか(非公開)を展示する部屋を造るべきではないだろうか。いや、現代ならインターネット上でかっ国の言葉で日本の重要文化財が何処に行けば観れるか、そして、そのデジタル映像を公開すべきではないだろうか。
数年前に、大英博物館を再訪した時に日本の縄文土偶展が特別開催されていました。その場所で撮影をしようとすると、日本人が飛んできて、撮影禁止ですという。私は、何故ですか?と質問しました、大英博物館は原則撮影自由です。文化財は世界の人々のものという考えが彼らにはあります。
何故、日本から持ち込んだ縄文土偶だけが撮影禁止なのか、とても違和感を持った次第です。現代は主要マスメデイアが情報を独占し発信する時代では有りません、国民一人一人がインターネットで発信する時代です。文化財を遥か雲の上の存在にするのではなく、もっと身近なものにする努力が必要なのではないだろうか。
私は別に仏像を寺社仏閣から取り上げて、博物館におけばいいという考えでは有りません、仏さんはお寺に鎮座されるのが最高だと思います。光も低い位置のローソクの光りを受ける仏の顔を見上げて拝むのが一番だと思います。
私は出来る限り日本各地の資料館も訪問する事にしていますが、是非、写真撮影の許可を頂きたいと思います。そして、出来れば、全ての資料をデジタル化して公開して欲しいと思います。日本の文化を世界に向けて発信する事が未来の日本の為にもとても重要な事の一つだと考えるからです。
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