最近読んだ古代史関連本
2週間に一度は大倉山の山の上の図書館で古代史関連や宗教関連の本を3冊から4冊を2週間借りる事にしている。山の登り降りで健康にもいいので、かれこれ2年程度継続している。今回借りている本は3冊で意外と面白かったです。
1.荒神谷遺跡と青銅器(科学が解き明かす荒神谷の謎)島根県古代文化センター編
同朋舎出版(1995年11月10日初版)の本ですが、丁度、上野国立博物館で『出雲展』を訪問するので、事前に、久しぶりに荒神谷遺跡の過去を思い出す為に借りた本でした。『出雲展』では荒神谷遺跡で発掘された銅剣のうち、42本(紀元前2世紀~前1世紀)や銅鐸5個(紀元前2世紀~前1世紀)、銅矛16本(紀元前2世紀~前1世紀)の重要文化財をこの目で観る事が出来ました。
本を読んでみて、これ等の遺物の取り上げ段階から保存処理をするのに7年も苦労がかかった事実は本を読まなければ判りませんでした。関係者苦労に敬意を表したいと思います。この本はどちらかと言えば専門家が読むものでしょうね、素人には少し専門的でした。しかし、誰が何の目的でこれ等の膨大な青銅器を何処で製造し、原材料は何処から入手し、何故、出雲の神庭に埋められたのか。この謎に迫る書物ではないでしょうか。
2.大阪狛犬の謎 小寺慶昭 ナカニシヤ出版(2003年11月30日初版)
小寺さんは全国の6千社に及ぶ神社を自分の足で調査し、狛犬がどうなっているかを研究された人です。狛犬は神社の参道に必ずお坐りになっている訳ではない、伊勢神宮や出雲大社、明治神宮、賀茂御祖神社、の参道には狛犬は存在していない。狛犬が設置されている神社は彼の研究では60%しか存在しないそうだ。
一般的に狛犬は右側が口を開けた阿形で雄、左が口を閉じた吽形で雌と考えている人が多いが実際は、左右逆だったり、雄だけとかも存在するらしい。読んでいるうちに、何が何だか自分でも判らないようになりました。しかし、ルーツはやはりエジプトのスフインクスやライオンを神殿の参道に設置する考えは古代の中東諸国や中国経由や朝鮮半島経由で日本列島に伝播したんでしょうね。
参道の置物でアンコールワットやアンコールトム、ベトナム中部のチャンパ王国の遺跡など、ヒンズー教の寺院では身体が一つで頭が複数あるコブラの像、ナーガがいます。此れと、出雲の八岐大蛇との関係について何か関係があるのではないかと最近考えています。もともとは、インド神話に存在する蛇の聖霊であり蛇神なんですが、海のシルクロードを通じて日本列島に伝播していた可能性が有ります。
3.鳥居 稲田智宏 光文社新書(2002年10月20日初版)
鳥居には色んな種類が存在する事を知りました。鳥居の名称ですが、柱、笠木、島木、貫(ぬき)、額束(がくづか)、楔(くさび)という部材の名前が存在する事も初めて知りました。沢山の種類はあるが、大きく分類するとシンプルな神明系鳥居と装飾的な明神系鳥居に分類出来るそうです。
・神明系鳥居
装飾が少なく、ころびや反り増しが無く直線で構成され、島木が無く、貫が左右に突き出ない。代表的な形は葬場殿の儀に立てられた柱の外に突き出ない貫の断面は矩形、柱と笠木は丸木で白木を用い、反り増しもころびもない鳥居が代表。例、黒木鳥居、靖国鳥居、伊勢鳥居、白丸太鳥居、内宮源(ないぐうげん)鳥居、鹿島鳥居、等々。
・明神系鳥居
笠木の下に島木を付す鳥居で、神明系よりも多くの種類が存在する。『朱色に塗られた明神鳥居の場合は笠木が黒で塗られ事が多い。尚鹿児島や宮崎の一部では、藁座のある明神鳥居(藁座鳥居)で笠木と藁座は黒、柱や貫は朱なのに島木だけが白色の鳥居が見られ、大隅鳥居とも呼ばれている。』
笠木と島木に反り増し、亀腹に乗った柱にころびがあり、矩形の貫が左右に突き出ている鳥居が代表である。
例えば、春日鳥居、八幡鳥居、住吉鳥居、中山鳥居、山王鳥居、宇佐鳥居、筥崎鳥居、厳島鳥居、等々が存在する。
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