スペイン・ポルトガル3200㌔の旅(11) アルハンブラ宮殿 アラヤネスのパティオ
承前 スペイン・ポルトガル3200㌔の旅(10) アルハンブラ宮殿 夏の離宮篇
アルハンブラ王宮には二つの有名な中庭(パティオ)があります。今回はタージマハールの原型となったアラヤネスのパティオの紹介です。
コマレスの塔がオアシスをイメージした中庭の池に映し出されています。手前がシェラネバダ山脈から引いて来た聖なる水が噴き出す泉と水盤です。さしずめ、明日香ならば亀石の水槽にあたるでしょうか。驚くほど、砂漠の民の水に対する信仰と我々日本列島に住む古代の人々と共通する所があります。
オアシスの周りにはこの庭の名前となった美しい花と香りを放つ常緑樹のアラヤネスが植えてあります。この景色は300年後のタージマハールに受け継がれたという説があるそうです。回廊の柱はナツメヤシの木をイメージしていると考えます。
注:アラヤネス(天人花)
この庭を見ながら私は明日香の斉明天皇が亀の形をした石の水槽に入り雨を願った儀式をされている風景を観ていました。日本は水は稲作に必須のもの、泉は気が噴き出す源として神聖視されてきた歴史があります。砂漠の民は水が無ければ生きて行けないものです。
この景色は北から南の方角を眺めたパティオのアングルです。アルハンブラ全てに言えるのですが、何故か馴染易い風景だと感じていましたが、理由が判りました。彼らも日本人も床に座る、寝そべる民族である事が理由ではないかと思います。
小津安二郎の映画はアングルが低いと昔、ふうてん老人に教えてもらった事がありますが、欧州の人間や中国の人は椅子に座りベッドで寝起きする民族であり視点も高いと思う、だから建造物もその目線に合わせて建造されている。そこが違うと感じました。
従い、私のパテイオでの写真はなるだけアングルを低くして撮影した積りです。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- エゾライチョウとクマゲラを見る旅 総括編(2018.07.09)
- 2018年春の渡りの飛島 総括編(2018.07.09)
- 南ゴビ砂漠探鳥紀行(2018年6月15日~20日) 総括(2018.07.06)
- 2017年 春の渡りの飛島記録(2018.05.15)
- 豪州鳥見紀行 ケアンズ・エアーズロック・シドニー チエックリスト(2018.02.21)
Comments