ベトナム縦断1800キロの旅(17) 中部編 フエ、ティエンムー寺・カイデイン帝廟
承前 ベトナム縦断1800キロの旅(16) 中部編 フエ、グエン朝王宮跡(3)
『ティエンムー寺』
グエン朝王宮跡からフォン川を遡ると二カ所の遺跡が有ります。一つは1601年に創建された『ティエンムー寺(Thien Mu)』であり、もっと遡上するとグエン朝第12代皇帝『カィディン帝廟』があります。先ずは、お寺からです。
日本で言えば関ヶ原の合戦の頃に建立されたお寺です。煉瓦造りで七層八角形の形状をした塔が立ち、高さ21㍍もあります。塔の名前はトゥニャン『慈仁』と呼ばれているそうです。西安の大雁塔を思い出す塔です。
フォン川を見下ろす高台に建立され、眺めも水上交通も便利な場所に聳えています。本殿に『霊鷲高峰』という扁額があり調べてみました。霊鷲高峰とはインドにある霊鷲山(りょうじゅせん)という山がありそこで、釈迦が説法した事で有名なんだそうです。
この寺で有名なのは、1963年6月にサイゴン(今のホーチミン)にて当時のサイゴン政府の仏教弾圧に対してガソリン焼身自殺をした僧が居られました、その僧はこの寺の人だったそうです。当時のニュースは私も記憶に残っています。
境内にはジャックフルーツの実が実っていました。この果物は幹に直接出来るので面白いです。
『カイディン帝廟』
フランスの植民地時代の第12代皇帝カィディン帝の霊廟を訪問しました。この霊廟は1920年に建造が始まり12年間を費やして建造されたそうです。
世界遺産に登録された理由は中国風の建築技法と西洋の建築技法が混在する不思議なユニークな建築物であると認められたからだそうだ。
中国風な朝廷に並ぶ文官・武官が並びます。
しかし、西洋風な建物が後に控えています。カィディン帝はフランスに留学し西洋文化を学んだ人であり、深く西洋文化も愛した人だそうです。生涯独身だったそうで、フランスの傀儡政権として孤独な日々を送ったのではないでしょうか。
金箔が眩しい彼の玉座であり、台の下には平泉の金色堂のように彼の遺体が納められているそうです。死ぬまで孤独だったのでしょうね。
壁や柱には陶磁器やガラスの破片が埋め込まれ、タイの『暁の寺』を思い出す装飾手法でした。やはり、タイの仏教の影響も大いに受けているんですね。
黄昏迫る霊廟を後にしました。これから、ホイアンの宿まで向かいます。
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