« 新説『未完成の安閑天皇陵』(読売新聞2011、7、13記事) | Main | スリランカ紀行(26) 世界遺産ダンブッラ黄金寺院(石窟寺院)(1) »

縄文期最大ヒスイ管玉 奈良・秋津遺跡で出土

 承前 葛城王朝栄華の址 秋津遺跡発掘(橿考研)

 橿原考古学研究所は秋津遺跡を発掘しているが、今回、同遺跡で縄文時代晩期(約2800年~2500年前)のヒスイ製管玉(くだたま)、長さ3.8センチ、直径約2センチが出土したと13日発表した。研究所の発表では、ヒスイ製の縄文管玉としては国内最大であるという。

 動画ニュース(MBS) ヒスイの管玉出土ニュース

 読売新聞の記事によれば、中央がやや膨らんだ円筒形で、新潟県糸魚川産とみられるらしい。両側から穴(直径0.8センチ)を開けており、当時としては高度な技術である。この時期のヒスイの管玉は長さ2センチ前後で3センチを超えるのは稀らしい。

 このヒスイは墓から出土したのではなく、水路のような小川の近くで出土しており集落を纏める地位の高い人が誤って落としたのではないかと推測している。ヒスイは16日から橿原考古学研究所博物館で展示されるそうです。

 参考 共同通信『2800年前の翡翠の管玉発見 奈良の秋津遺跡で』

 参考 日本経済新聞 同上記事

 参考 読売新聞 縄文人 ビッグな翡翠首飾り

 実はこの遺跡で5月24日に縄文時代のノコギリクワガタの全身が発見されていたんですね。

 参考 毎日新聞 縄文時代のクワガタ発見 奈良・秋津遺跡

 葛城の地が如何に縄文時代から繁栄していたかを示す遺物の出土ではないでしょうか。葛城の奥の深さを考えさせる一連の橿考研の発掘成果ではないでしょうか。

 京都府船井郡園部町で1972年7月に垣内(かいち)古墳という前方後円墳の粘土槨の中の高野槇の棺より死者の頸あたりから硬玉ヒスイの勾玉2個と碧玉の管玉22個からなる頸飾りが出土した。4世紀後半の典型的な前期古墳であると森浩一さんは『日本神話の考古学』で述べています。この記事は八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)関連の記事として記録されています。

 管玉だけを紐で通した頸飾りをイメージするのではなく、2個の勾玉も加えた頸飾りを連想してしまいます。川の付近で1個の管玉だけを落としたとは考えにくいですね、多分、頸飾りの紐が切れ落下したと思います。だから、勾玉や複数の管玉が落下したんでしょうね。一つだけ管玉が見つからず、2800年前に落とし主は諦めたのでしょうか。

 それとも、暴漢に襲われ頸飾りを奪われ、その時に1個が飛び散ったのでしょうか。管玉1個だけが出土するのは不自然ですね。

 秋津遺跡は今後も目を離せない遺跡ではないでしょうか。

|

« 新説『未完成の安閑天皇陵』(読売新聞2011、7、13記事) | Main | スリランカ紀行(26) 世界遺産ダンブッラ黄金寺院(石窟寺院)(1) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 新説『未完成の安閑天皇陵』(読売新聞2011、7、13記事) | Main | スリランカ紀行(26) 世界遺産ダンブッラ黄金寺院(石窟寺院)(1) »