東博 特別展示 日本の考古遺物
今回の東博訪問は平山郁夫さんの薬師寺の障壁画観賞が目的でしたが、以外にも、「日本の考古遺物」展示に遭遇した。本来は日本各地の博物館や資料館に行かねば観れないものを一堂に会しており、幸せな時間と感動の時間だった。
前回は、時代を代表する名品4点について紹介しました。宮城県田尻町出土の縄文土偶で、縄文晩期の亀ヶ岡文化期の遮光器土偶、見事でした。あの独特のフクロウのような大きな目を遮るようなスリットサングラス。全身が装飾で飾られた見事な美術作品です。
香川県出土の銅鐸に描かれた絵を始めてまじかで観れました。昔、佐原真さんが書かれた銅鐸の絵の解釈を思い出しながら、絵を眺めていた。可愛いスッポンや、弓で小動物を射る絵、臼を杵でつく人、トンボ、弥生時代の農耕儀礼の祭りで使用された祭器と考えられる銅鐸をまのあたりにした。この銅鐸は突然に、神仙思想の銅鏡にとって代わられるのだ。
山梨県御坂町出土の奇怪な顔をした縄文中期の半身の土偶、これは面白い土偶です。私は狐の顔に見えましたが、皆さんはどうですか。
超有名な、青森亀ヶ岡の土偶もありました。北海道室蘭出土の縄文晩期の土偶の衣類の模様はアイヌの模様に何処か似ていませんか。新潟県山北町出土の縄文時代後期の巻貝形土製品も面白い。長野県伊那市出土の縄文中期土器の大形深鉢の大胆な派手な自由な文様は縄文土器の特徴ですね。岡本太郎が絶賛し、美術品としての価値を見出した彼の功績は大きい。
茨城県下館市出土の弥生時代中期の人面付壺は滑稽でいて、気味が悪いですね。目の周りと口の周りは明らかに入墨をしていますね。倭人の特徴を表現しています。弥生時代の東日本では再葬墓というのが流行していたそうだ、骨を壺に入れ、数個を纏めて直径2メータ前後の穴に同時に埋めたそうだ。名古屋市熱田区で出土した弥生後期の重文の壺はパレススタイル(宮廷様式)と呼ばれる見事な土器だそうだ。伊勢湾岸地域が如何に高度な文化文明の地であったかが推測される。
土師器の成立と三角縁神獣鏡の展開が展示。
古墳時代前期の宝器・儀器である鏡や石製品(例えば石釧)を展示。重文のダ龍鏡が展示、想像上の動物ですが、ワニの一種ではないかと考えられている。これは、国内で製造されたものらしい。重文で群馬高崎出土の狩猟文鏡、これは珍しい4人の人物と4頭の鹿を描いている。
熊本県江田船山古墳出土の国宝である銀象眼銘太刀に初めて出会えた。この太刀は重要です、色んな角度からの写真を観て下さい。
初めて観ましたが、刀の背の部分に切先から手元にかけて銀象眼の文字が刻まれています。肉眼でもはっきりと文字が読めます。取りあえず、切先の文字の拡大写真では読めない文字もありますが、ワカタケル(雄略天皇)の文字は判明します。順に、拡大映像がありますので、確かめて下さい。切先の背の部分は「治天下獲□□□鹵大王世」に始まる75字の銀象嵌銘文です。
今回新たに判明したのは、手元に魚と水鳥の銀象眼が存在したのが判りました。何と可愛い、魚と水鳥ではないですか、面白くてその場を動けなくなりました。馬の絵も何とかわいいのでしょうか。今回見つかった魚と水鳥の銀象眼に関して学会ではどんな発表があるんでしょうか、興味があります。
水鳥は埴輪にも沢山作られていますし、別段不思議はないのですが、魚が面白いです。ひょっとすると治水の神、禹神話と関係があるのでしょうか。色々と、考えられそうです。
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