新沢千塚古墳を調べる その3 126号墳
新沢千塚古墳群の中でも有名な126号墳について調べてみました。出土品は何故か東博に収蔵されており、橿考研でないのが不思議だ。森浩一さんが多分、日本では初めての成果だと思うが5世紀にヨーロッパや西アジアから伝播した遺物を目の当たりして興奮された情景が浮かぶようだ。
126号墳は長方形墳であるが、県道の北の古墳群にある東に200メータ程度、突き出した半島のような標高10メータの尾根の根元にあり、尾根は南北120メータである。この尾根に整然と主墳が尾根の高い位置にあり、少し標高が下がった南北二カ所に主墳と関係がありそうに二つの古墳が並んでいる。タコの足の吸盤のように主墳が尾根の背に並んで東に点々と並んでいる。そして、その主墳を南北で挟むように又古墳が少し標高を下げた位置で続いている。
例えば主墳126号墳を挟んで北に125号墳、南に128号墳であり、少し東に進むと主墳129号墳を南北で挟むように北に152号墳、南に130号墳が続く按配だ。
『東京国立博物館に収蔵された126号墳出土物』
幸い、東博ではこの古墳から出土したもの全て重要文化財であるが、写真で公開している。
被葬者の頭の右わきにブルーの皿に載せられた状態で発掘された。アルカリガラス製で淡黄緑色をする。器の壁の厚さは1.5ミリと薄く非常に軽い。底部に二段、胴部には五段にわたって円文を削り出している。ササン朝ペルシャ製ではないかと考えられている。
被葬者の頭の右わきにあり、ガラス碗を載せていた。アルカリガラス製で紺色をしている。内面には鳥、樹木、人物、馬、花弁などが描かれていたと考えられる。外面にも何か描かれていた可能性がある。
龍文の透かし彫りがされており、帽子の飾りと考えられる。
耳飾りは3本の垂飾を持つ豪華なものだ。
刻みをつけた金線を螺旋状に巻きあげたもので髪飾りではないかと考えられている。
腰のあたりから帯金具が出土した。
金の指輪とは珍しい、豪華な金細工であり明らかに西アジアや欧州の香りがする。
遺骸を中心とした広い範囲に金製の歩揺(動くとキラキラ輝く飾り)が出土し、被葬者及び被葬者を覆っていたものに歩揺が多数ついていた可能性が高い。
棺の外に何とアイロンが副葬されていた。ひしゃくのようなもので、火だねを入れて底でアイロンをあてるのだそうですよ。凄いですね~。
その他は、東博の写真集をゆっくり参照して下さい。しかし、何故、これ等の出土物は橿考研や現地の資料館に存在せずに、東博なんかにあるんだろうか、不思議だ。現地がレプリカで本物は東博にあるのは本末転倒ではないだろうか。何か、理由があったのだろうか。
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