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桜井茶臼山古墳関連メモ(2011・2・16)

 承前 三輪山周辺を歩く 目次編

 承前 桜井茶臼山古墳と纏向遺跡紀行 目次編

 桜井茶臼山古墳について、気になる事をメモしておきます。と言うのは昨年8月に出版された森浩一さんの『倭人伝を読みなおす』で桜井茶臼山古墳に関して気になる事を記録されているからです。彼は、確か60年以上前にこの古墳の発掘に関与されてたと記憶しています。この40年前の発掘資料は確か、森浩一さんが編纂された本、名前は忘れたが、『西日本の古墳』に収蔵されており、詳細にこのブログでも紹介したと思う。

参考 60年前の桜井茶臼山古墳発掘

Photo

 さて、今回は気になる事を列挙しますと。

 ①古墳の場所が外山(トビ)という場所にある。トビは鵄であり、神武神話と関係が深い。又このトビが鳥見に変化し神武4年から皇祖大神を祀る祭祀を鳥見山で行った。

 ②すぐ側に宗像神社が存在する。何故、九州の航海民の神である宗像の神を祀る神社がすぐそばにあるのか。

 ③古墳の場所は磐余(イワレ)というヤマト王権の王宮が長く設置された聖なる場所であり、神武天皇は本来、イワレヒコ即ち磐余の男の中の男という意味で神武天皇とゆかりが深い。

 ④全長200メータを超える前期前方後円墳であり、石室には200キロを超える金より貴重な朱が使用されているし、銅鏡も80枚を超えていた、大王の陵に相応しい。

 又、この近くの耳成山にかけて古代の豪族である阿部氏の拠点である。アベ氏はアマベ氏と古代は呼ばれていた海部、海人、海民、と航海民の豪族である。

 神武天皇が長脛彦と激闘したのは、この磐余の地であるらしい。戦況は神武さんに不利であったらしいが、突然に空が曇り雹が降り始め、神武さんの弓の上に黄金色の鵄(トビ)がとまったという。長脛彦の軍勢はその姿を観て逃げ出したという。戦前の学校では講堂の壁に神武さんの弓にとまる金色の鵄の姿を観た人々は多いと思います。

 敗戦後は教育委員会や左翼系の先生が仰山おられるので、こんな神話の絵は60年間封印されて来た。私は戦後生まれだけど、この神武さんの絵は色んな場所で観ています。神武さんと鳥の関係は意外と深いのです。航海の道案内をしてくれたのは、八咫烏(ヤタガラス)で足が3本ありサッカーに興味ある人は誰でも知っており、熊野大社に行けばこのカラスさんと会えます。

 鵄(トビ)とは鳶ですね、関西ではトンビと発音しています、輪島の海岸では油揚げをさらわれるので注意の看板がありました。海岸や、港に多く生息して、くるくる空で廻って獲物を探しています。海と関係が深い猛禽類ですね。鷲は山間部や草原に生息しており、鵄とはテリトリーが異なると思う。神武神話では、鷲ではなく、鵄という所が如何に彼が海と関係が深い神であったかを物語ると思う。

 

 森浩一さんは、この古墳を外山(トビ)茶臼山古墳と呼んだ方がいいと、語っておられます。この古墳に相応しい名前であるからだと言う。

 この古墳を訪問して後円部に登れば判りますが、明らかに鳥見山の尾根の端を切断し作られた丘尾切断型前方後円墳(古墳の初期形態)である事が判ります。森さんの話で気になるのは、箸墓のように吉備の特殊器台や円筒埴輪が存在せず、川原石で覆われていたという点です。この葺石のルーツは弥生時代の日本海側の四隅突出型方墳にルーツがあるとのお話です。

 直ぐ近くにある、九州の宗像神社が存在する事は神武東征神話との関係があるのではないかと、考えられ、森さんの話では、寛平(かんぴょう)5年=893年に神社修理の為にわざわざ、筑前国宗像郡金崎から、人が派遣されているという。金崎は海女で有名な鐘崎のことで、宗像神社の信仰圏であるとの事、如何にこの外山邑の土地が九州と関係が深いか判ります。

 もうひとつは、銅鏡の埋納のされ方ですが、殆ど全ての80枚を超える鏡が粉々に粉砕され埋納されている事です。これは、40枚の銅鏡が同じく粉々に砕かれ、埋納された九州の平原古墳との類似が考えられると森さんは指摘されています。

 参考 平原古墳関連 邪馬台国への旅 その4

 参考 2003年 橿原考古学研究所発表資料

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