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耽羅(済州島)紀行 その11 三姓穴(耽羅国発祥の地)

 承前 耽羅(済州島)紀行 その10 萬丈窟(万丈窟) 溶岩洞窟

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 耽羅国建国神話の場所です。溶岩窟から三名の青年が出現した、高さん、良さん、夫さんの三名です。面白いのは韓国の歴史書である「高麗史」や済州島内の筆になる、「瀛州誌」「南槎録」「耽羅誌」「耽羅紀年」にて記録され、東の海から来訪した船に三名の姫さんと五穀と馬と碧浪国(倭国であると考えられている)の使者が乗っていた。三青年は日本から来た姫さんと結婚し耽羅国を建国したという。

 耽羅国は朝鮮半島よりも、倭国との関係が深い事が判る神話です。農耕を倭国が伝えたいう事と、朝鮮半島の北方遊牧民には存在しない海女のルーツは倭人に存在するという考えではないでしょうか。済州島の海女は遠く中国や日本やアムール川河口まで出稼ぎに海に潜りに出駆けていたそうです。

 新羅国の皇子であるアメノヒボコが日本人の嫁さんに逃げられて日本まで追いかけて来た話も古代の耽羅と弁韓・辰韓そして九州の倭人とが海の民族であった記憶ではないだろうか。アメノヒボコの奥さんは海女であり、出稼ぎに日本へ来訪していたのではないだろうか、耽羅と新羅(辰韓)とは3世紀以前では関係が深かった可能性が有ります。

 アメノヒボコは実は海女(アマ)の統括する男性という意味だったかも知れない。

 耽羅国建国神話に登場する日本の姫三名は私は宗像三女神神話と繋がる伝承ではないかと思います。海を生活の場として漁業と交易と僅かな畑作で生きていた民族の記憶ではないでしょうか。モンゴル好きの司馬さんが不思議と耽羅に興味を持たれていた理由が昔から謎でした。13世紀末に高麗国を滅ぼし、済州島に住みついたモンゴルの末裔に興味があったのかと思っていましたが、もっと、昔の倭人のルーツに関わる興味ではなかったかと今では考えています。

 マイフォト 耽羅国発祥の地 三姓穴 写真集 

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 耽羅国の自然環境は過酷でした、朝鮮半島と中国と九州のど真ん中という交通の要の場所に有りながら、港に恵まれず海のハブとはなれませんでした。その理由は済州島に川が存在しないからです、真水の港(河口から少し遡る場所)が存在しないからです。木造船の大敵はフナクイムシです。船を沈めてしまう怖い虫です。

 鉄で出来た船が出来るまで、港は必ず真水の河口に存在しました。済州島は川が無く、真水は海岸近くで噴き出すか海底で噴出していました。

 さて、始祖神話ですが、朝鮮半島の系列は卵から始祖神が誕生する事になっている。しかし、耽羅国の始祖神は溶岩ドームから出現している。明らかに、北方遊牧民の神話系統ではないと思います。済州島には寄生火山が3千以上あるそうで、火口がいたるところにあります。この島の誕生物語と関係があるのかも知れません。

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 三姓穴を去る時にたまたま榧の木の苗木を見かけました。ガイドさんに司馬さんの『耽羅紀行』に登場する榧の森の話を伺いましたが、あまり御存知ではなかったようでした。高麗王朝時代から済州島の榧の森は大事に保存されて来た歴史が有ると『耽羅紀行』では書かれていました。

 私が知る榧の木は将棋盤と碁盤だけでした。

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 済州島(濟州島、제주도)の耽羅神話(三姓神話)


『高麗史』地理志 巻五七

耽羅縣、在全羅道南海中、
其古記云、
大初無人物、
三神人從地聳出 〔其主山北麓、有穴曰毛興、是其地也〕、
長曰良乙那、次曰高乙那、三曰夫乙那、
三人遊獵荒僻、皮衣肉食、
一日見紫泥封藏木函、浮至于東海濱、就而開之、函内又有石函、
有一紅帶紫衣使者隨來、
開石函、出現青衣處女三、及諸駒犢五穀種、
乃曰、
我是日本國使也、
吾王生此三女、云西海中嶽降神子三人、將欲開國、而無配匹、
於是命臣、侍三女以來、
爾宜作配以成大業、
使者忽乘雲而去、
三人以年次分娶之、就泉甘土肥處、射矢卜地、
良乙那所居曰第一都、高乙那所居曰第二都、夫乙那所居曰第三都、
始播五穀、且牧駒犢、日就富庶、
至十五代孫高厚高清昆弟三人、造舟渡海至于耽津、
蓋新羅盛時也、・・・

◆【高麗史日本伝 上 /朝鮮正史日本伝 2】
武田幸男/編訳 岩波文庫
P.340~P.341 志訳文〔志〇一二〕
P.381 志原文〔志〇一二〕
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031534500&Action_id=121&Sza_id=C0

●高麗史(李氏朝鮮編纂の官撰史)
耽羅神話(三姓神話)…「我是日本國使也」
http://image.blog.livedoor.jp/hash0153/imgs/c/c/cc68f147.jpg

●瀛洲誌(作者不明・年代不明・李氏朝鮮以後の発見?)
耽羅神話(三姓神話)…「我東海上碧浪國(へきろうこく)使也」
http://image.blog.livedoor.jp/hash0153/imgs/d/d/dd520d9d.jpg

学習研究社『漢字源』→
 【碧】…【碧波】ヘキハ {碧浪 ヘキロウ}青緑色をした波。
 【瀛】…「瀛洲 エイシュウ」とは、中国の伝説にある三神山の一つ。
    東海(渤海)中にあって仙人が住んでいると伝えられる。
    「海中有三神山 名曰 蓬莱 方丈 瀛洲 僊人居之」〔史記・秦始皇〕

【渤海 (海域) - Wikipedia】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A4%E6%B5%B7_(%E6%B5%B7%E5%9F%9F)

> 面白いのは韓国の歴史書である「高麗史」や「世宗実録」にて、…

朝鮮王朝実録(李朝実録)の「世宗実録」?どこに?

Posted by: 四・三事件 | 2011.02.17 08:16 PM

四・三事件さま はじめまして

 コメント有難うござます。お詳しい、御専門のお方と思いますが有益な典拠有難うござます。

 私がこの記事を書いた典拠は、司馬さんの『街道をゆく』それと、鳥越憲三郎さんの、『古代朝鮮と倭族』の二章「耽羅国の神話と歴史」からでしたが、「世宗実録」からの典拠はありませんでした。

 従い、典拠が確認できませんので、「世宗実録」は本文から削除致します。宜しくおねがいします。

Posted by: jo | 2011.02.17 09:06 PM

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