耽羅(済州島)紀行 その5 赤ちゃんの揺りかご
承前 耽羅(済州島)紀行 その4 民俗自然史博物館メモ(2)
赤ちゃんが揺りかごで揺られています。竹で編まれた底が丸い籠ですから、揺れるのです。実は籠の中間の位置に網が張られています、紐で碁盤の目のようにハンモックが作られており、その上にカヤを敷いて赤ちゃんを寝かせます。
この写真の方が判りやすいですね。中国の子供と同じでお尻の部分は切り裂いてあり、何時でもウンチが出来るようになっているそうです。島の女性は働き者、外で働いている時もこの揺りかごに赤ちゃんを入れ、寝かしているそうです。
島は風が強いので、風で自動的に籠は揺れるそうです。手作業の時は足で籠を押して揺らすそうです。畑や外での作業が終わり帰宅する時は、赤ちゃんを籠から出し、籠を引っ繰り返せば、全ての汚物を一度に捨てる事が可能である。
これは、優れた揺りかごであると、感心しました。素晴らしい知恵ですね。
竹の文化という事は、長江中流域や雲南省の少数民族の竹の文化や、フィリピン、ベトナム、シャム、ジャワ、等々の南の島々の文化を思い起こします。確か竹は寒い地域では存在しないと聞いています。
祈子・産神に祈る女性です。致誠祈子という懐妊と子供の成長を司る産神に男の子が生まれる事を祈っています。これは、北方遊牧民の思想です。この島の歴史は簡単ではない、北方遊牧民の呪術も習俗も受け入れている。
考えてみれば、日本だって南方の長江中流域の習俗を基盤にその上に幾多の北方遊牧民の習俗が折り重なっています。母系制社会から父系制社会への変化が日本にはありました。日本も戦国時代頃までは母系制社会だったのではなかったでしょうか。
赤ちゃんの産着です、子供の成長を祈ったのでしょうね。当時の乳幼児の死亡率は高かったと思います。
子供の成長を祈る親の気持ちは昔も今も変わらない真実でしょうね。
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