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纏向遺跡フォーラム『邪馬台国からヤマト王権へ』

 11月20日(土曜日)、読売新聞社主催・桜井市後援の掲記セミナーが開催され、参加した。

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 刈谷俊介氏、桜井市教育委員会文化財課係長の橋本輝彦氏、国学院大学教授の鈴木靖民氏、大阪府立近つ飛鳥博物館館長の白石太一郎氏、桜井市市長が参加し開催された。

 白石太一郎氏の講演は最近、同じ場所で開催された『三輪山セミナー』の講演で拝聴していたし、彼の纏向遺跡に関する書物は読んでいたので、特に目新しい事はなかった。

  参考 第7回 三輪山セミナー イン 東京

 俳優と考古学者の二足の草鞋を履いている刈谷さんの話を聴くのは初めてで、新鮮でした。既に彼の専門書は二冊程度読んだ記憶がります、確か纏向遺跡の土器編年の専門書だったと記憶しています。所謂、庄内式土器と布留式土器の編年専門書だったと思います。彼は、石塚古墳の発掘の時から現場で発掘をされていた研究者で浪漫の塊のような人です。

 彼の話によれば、石塚古墳の発掘の時に東の珠城山に延びる直線上の太田北微高地には大型建物列が存在する事を予測していたそうです。そして、本も出版していたそうですね。専門家の間では昨年発掘された大型建物は十分に推測されていたのです。次の大型建物跡の発掘は珠城山古墳群の南の地が候補と考えられていますね。

 宮殿跡の発掘は難しいそうだ、遺物が出にくいそうですね、飛鳥宮跡の発掘も半世紀に渡り続行されているが困難を極めているという。

 『桃の話』

 今年の発掘で大型建物近くで沢山の桃の種と籠が見つかりました、桃を祭祀に使用した痕跡であろうという説が大勢のようです。弥生時代の銅鐸を祭祀に使用していた時代から、突然に銅鐸が破棄され、鏡が祭祀に使用される宗教改革が発生した。鏡の背面には神仙の世界が表現されています。神仙の世界の想像上の動物や西王母、東王父の世界です。

 先日、森浩一氏の『交錯の日本史』(朝日新聞社)を読んでいると、鹿児島県坊津に残る中国人絵師が描いたという西王母は右手に桃の枝を持っていました。桃は中国では神仙の世界では邪気を払う神聖な果物なんです。桃太郎の話も確か吉備地方の伝承だと思うのですが、纏向には吉備の香りが満ちています。

 箸墓古墳にしても、特殊器台は吉備が発祥の地ですから、吉備の影響は大きいと思います。

 とにかく、早く纏向遺跡の近くに国立の文化財研究所でも建設して大規模な遺跡保存と発掘される事を望んでいます。古墳時代発祥の地を大事にして欲しい。

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