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中欧4カ国紀行 その15 ウイーン 美術史美術館(2)

 承前 中欧4カ国紀行 その14 ウイーン 美術史美術館(1)

 『ブリューゲル』の絵画群

 ウイーン美術史美術館の目玉はブリューゲルの絵画群です。16世紀中葉のフランドル地方(オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部)の画家であり、息子二人も画家として活躍し孫まで画家一族として活躍したそうです。

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 『農民の婚宴』という絵画ですが、貧しい農民の婚礼祝いの模様を描いています。主役はグリーンの幕の前に座る少し太った女性です。婚礼の時だけ髪を垂らす事が許されたそうです。隣に座るのはお母さんでしょうか。右端に座る偉そうな人はこの地方の領主さんだそうです。

 真中に立つ二人はバグパイプのような楽器を抱えています。運ばれる粗末な皿に入るプリンか粥か不明ですが、食料を早く食べたそうに眺めています。ブリューゲルはお茶目な画家で皿を運ぶ前の人の足を三本描いています、見落としがちです。(笑)

 地べたに座り込んだ子供が皿を舐めています、貧乏が伝わるようですね。ブリューゲルは農民の画家とも呼ばれ、愛情溢れる気持ちで貧しい農民の生活を描いています。ガイドさんの説明では、その気持ちが床に落ちた孔雀の羽根に表現されていると言います。神が祝福を与えている表現であると説明されていました。此処は花嫁の家のようですね、お婿さんは呼ばれていません。

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 有名な『バベルの塔』です。ノアの大洪水のあと生き残ったノアの子孫は奢り、天に届くような塔の建設を始めました。怒った神は人々が話す言葉を違えるようにして会話が出来ないようにして、塔の建設を失敗させました。多言語の起源についての旧約聖書の内容です。建設途中のバベルの塔の内部まで詳細に描いているのが印象的です。そして、崩壊が始まっています。

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 『雪中の狩人』ですが、厳冬期の犬を沢山連れて狩りに行く場面を描いています。村の人々は氷りついた池の上で何をしているんでしょうか。魚を捕ろうとしているのでしょうか。不気味なカラスが木の上にいます、遥か彼方の山々は雪を被りまるでアルプスの山々のようです。厳しい冬の農民の生きる姿を描こうとしたと想像します。

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 『子供の遊戯』村の子供達が生き生きと遊んでいる姿が描かれています。260人の子供達が90種類の遊びをしている様子を描いているそうですが、判りますか。探してみましょう。

下の方から眺めると、北河内の招堤村で冬の遊びでは定番の『ど馬』という馬の上に飛び乗る遊び、これは危険でしたね。我々は木の根元に誰かが立ち、股に頭を突っ込んで馬を作りましたね。車輪のようなものを棒で回転させて遊ぶ連中、騎馬戦をする子供達、鉄棒の代わりに馬を繋ぐ横棒にぶら下がる子供達、絵を眺めていると飽きないです。

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 『ベツレヘムの嬰児殺し』の絵です。新約聖書ではヘロデ王がベツレヘムで2歳以下の男の子を皆殺しにした場面です。自分にとって代わる可能性のあるユダヤ人の王になる可能性の男の子を殺したという悲惨な聖書の世界を描いています。兵士に哀願する母親たちの絶叫が聞こえてくるようです。

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 『農民の踊り』です。村の聖堂の開基祭を祝う縁日の様子を描いています。抱き合っている男と女もいてメチャメチャなどんちゃん騒ぎの様子であり、おおよそ聖堂開基を祝う雰囲気ではないですね。これが、貧乏な農民の真の姿だったのかも知れない。

 以下、残りの幾つかを記録しておきます。

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20109wine_1233  左から『謝肉祭と四旬節の喧嘩』、『牛群の帰り』です。

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