出汁を引く
今日は窓から見える新横浜国際競技場は煌々と光がともり、日本とパラグアイのサッカーの試合が始まろうとしています。
毎日、家政夫をしているが最近は昔のように料理の度に昆布、鰹節から出汁を引かなくなった。しかし、日本料理の基本は出汁にあると信じているので、時折、昆布と鰹節から出汁をを引くようにしている。
先日、テレビで京料理の専門家が昆布を60度の温度で1時間、そして80度の温度で鰹節を1分程度投入し出汁を引く調理をしていました。昆布は温度を上げると表面に組織保護の膜が出来て旨みが出て来ないそうだ。反対に、鰹節は温度を上げないとイノシンサンが出て来ない、しかし上げ過ぎると魚の嫌な味がでるそうだ。
日本料理の基本は出汁にあるといいますね、出汁を引くという言葉は旨みを引き出す事らしい。奥が深い言葉が日本料理なんですね。
世界中を旅していて思うのは、各地の自然環境に沿った美味しい料理を世界中の人々は食べています。結局、人間というのは限られた自然環境の恵みを最大限に利用して生かせて貰っている訳だ。欧州の人々は何故、単位面積あたり獲得出来るエネルギー量が最大の稲作で米を食べないのか不思議でした。
しかし、現地の大地を見れば判ります、太古は海底であった欧州の大陸は石灰岩の大地です、痩せた国土なのに私はフランスのブルゴーニュで驚きました。小さな玉ねぎ、小さな人参、本当に可哀そうです。子供ん頃勉強したフランスの豊かな農業地という考えは嘘である事を年寄りになって初めて判った。
所詮は牧草地にして、エネルギー効率の悪い牧畜で生活するしか道は無いとその時に感じました。考えてみると、世界の文明の発祥地は全て、豊かな大河の場所にあります。上流の森から運ばれた栄養分の豊富な河口に文明は開化した。ナイル、チグリス・ユーフラテス、インダス、黄河・長江、全てそうだ。
ナイルの賜物は欧州の人々の食糧を殆ど賄ってきたのが歴史ではないでしょうか。現代の文明は食糧以外の価値を創造し食糧を奪い取る歴史でもあったように思います。中国の歴史を眺めればまさに、長江流域の豊かな食料を北の荒野の黄河流域の人々が奪った歴史ではないでしょうか。そして、逃げ出した長江流域の稲作と金属文化を持つ人々が追い出され辿りついたのが日本列島です。
しかし、日本列島は山岳が80%もあり山から速度の速い川が急速に平野に流れ込む厳しい自然環境で台風は来るし、川は急に氾濫する過酷な世界でもありました。山には縄文時代から住んでいる人々もいました。しかし、稲作と漁業と金属技術を持つ渡来の人々は長江流域と同じような照葉樹林の日本列島に安住の地を見つけたと思います。
縄文の人々に渡来の人々、これを弥生人と呼べば彼らに米から採れる酒を最大の贈りものとしたのではないでしょうか。異なる人々が一番早く仲良くなれるのは酒による宴会です。これは、私の人生を懸けても正しい論理だと思います。弥生人は縄文人を招待し日本酒で宴会をしたのではないでしょうか。
日本最古の神社、大神神社は酒の神さんでもあります、山城の松尾大社も酒の神様です、縄文人と弥生人を一つにして列島の国ずくりが始まった最大の原因は日本酒ではないかと、思いますがどうなんでしょうね。
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