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峨眉山・九寨溝・黄龍紀行その17 チベット民族舞踏『蔵謎』

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 九寨溝では夜、チベット舞踏ショーを見学出来ました。日本でも知られているチベット族の舞踏家でプロデューサのヤン・リーピン(Yang Liping)さんが企画した『蔵謎』という演目です。

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 『蔵謎』とはチベットの謎という意味だそうです。九寨溝に住む老女が子羊(ヤギかも)と伴にラサに巡礼の旅にでる話である。

 舞台の袖に英語で内容が表記されるので、少しは内容が理解出来ます。言葉は中国人でも理解が難しいと聞きました、チベット語でなされるからです。

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 老女は信仰心が篤く、ラサへの過酷な巡礼に向かうが途中の数々のチベット族の人々を遭遇します。彼らは部族が異なるので、衣装が違います。沢山のチベット族を紹介する段取りになっているのですね。

 4部構成ですが、中身が充実した舞踏で、大がかりなミュージカルでした。

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 老女は険しい山の中で吹雪に襲われます、子羊(ヤギ)を守る為に覆い被さるのですが、結局死んでしまいます。彼女の死後、閻魔大王が彼女を天国に行かせるか地獄に行かせるか神々と議論をします。

 結局彼女の信仰心の篤さが証明され天国に行けるのですが、大きな鳥が舞い降りて来て鳥葬の模様が演じられます。

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 最後に、男の子供が子羊(ヤギ)を連れて巡礼する姿が登場します、彼女の生まれ変わり、輪廻転生が表現されていました。

 昨夜、新田次郎の『劔岳 点の記』の映画がテレビで放映されていました。明治40年という時代の陸軍管轄の測量チームの物語です。日本でも、チベットやヒマラヤの人々と同じで山は神様であるという信仰が存在します。山に登れるのは行者さんだけに限られていたのですね。

 昔、深田久弥さんが語っておられましたが、ヒマラヤのエベレストという名前は英国人が勝手に測量士のジョージ・エベレストの名前を山につけた、とんでもないとお怒りでした。地元のチベットの人々は聖なる山、チョモランマ(女神)と呼んでいる山なのです。

 ここに、英国発祥の近代登山(山を征服する)という考えとチベットや日本や多くの伝統ある国々で昔から神々の住む山との考え方との間に、バトルが起こったのです。映画『劔岳』でもそのような場面が描かれていました、ガイドの宇治長次郎が頂上を踏まないという場面です。(今でも長次郎雪渓の名前があります)

 流石に木村大作氏の映像は素晴らしい、劔岳周辺の山々の映像から北アルプスの薬師岳から黒部五郎、笠ガ岳、穂高連峰と美しい山のパノラマ映像を満喫出来た。

 自然を畏敬するという考えはチベット人でも日本人でも同じであると感じた舞踏ショーでした。

  参考記事 スイス紀行 アイガーにて新田次郎記念碑

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