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長安(西安)・北京紀行その7 秦始皇帝陵 兵馬俑坑その1

 承前 長安(西安)・北京紀行その6 華清池(唐 華清宮遺跡)

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 華清宮の東に秦始皇帝陵があります、先ず秦という国について簡単に触れます。秦国は甘粛省天水付近で牧畜に従事していた遊牧民でありました。樋口隆康さんの『始皇帝を掘る』によれば、殷や周の王に御者あるいは牧人として仕えたそうだ。周の孝王の時に秦の非子が犬丘即ち今の天水付近におり馬の飼育で功を上げたと言う。

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 紀元前770年周の平王が洛陽に遷都した時に秦の襄公が無事護送した功により、諸侯に封じられたという。春秋時代には今の宝鶏付近を拠点にしたという。戦国時代には西安の北の咸陽に城を築き都とした。紀元前249年、荘襄王の時に呂不韋が丞相となり戦国7雄となる。荘襄王が呂不韋の妾を娶り産ませた子が政(始皇帝)であり、有る説では始皇帝は呂不韋の子ではないかとも言われている。

 話は飛ぶが、先日、四川省の成都の北の四川大地震の現場を通過したが、羌族の村落が大被害を受けていた。呂不韋は羌族の出身と考えられており、始皇帝は羌族の血を受け継ぐ人間である可能性が高くなります。

 始皇帝は死ぬ2年前に刑徒70万人を動員し阿房宮と驪山陵を建設させたという。この驪山陵が始皇帝陵であります。驪山陵の全貌についてはグーグルの写真を参考にして頂ければ概略を掴む事が出来ます。

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先ず墳丘墓ですが、現在は南北350メータ、東西345メータの規模ですが、築造当初は南北515メータ、東西485メータであったと兵馬俑博物館館長の袁仲一氏は述べ、『漢書』に述べる高さ50丈、周合5里余に近いという。

 本来は墳丘の一部であった西北の位置から銅車馬坑が発見され、博物館の目玉である2台の銅車馬が発掘されました。墳丘墓は発掘されていないが、『史記』には詳細な地下宮殿の模様が書かれている事は有名です。私が生きてる間に発掘される事は無いと思いますが、どうでしょうか。ただ、秦が滅亡した時に項羽が大規模な盗掘を行ったのは事実でしょうから、発掘しても何も出てこないかも知れません。

 墳丘墓を囲む長方形の内城壁で囲まれた場所と、更に外側には外城壁で囲まれた南北2165メータ、東西940メータの城壁で囲まれた場所が始皇帝の陵園であります。そして、その東側に兵馬俑坑が発見された訳です。

Photo_5  それでは、兵馬俑坑の話に進みましょう。衛星写真で観るように最初に発見された1号坑、これが主力部隊の密集歩兵部隊です。そして、左舷前方に2号坑がありますが、これは戦車部隊・騎馬部隊中心の機動部隊であり、主力部隊と雁行の陣形を構えています。

 そして、左舷後方に3号坑がありこれは作戦本部と考えられています。その後、4号坑が発掘されたが、建設途中で放棄されており秦の滅亡時期に建設していたと考えられる。

 1号坑の詳細は、写真集にて記録していますので、そちらを参照して下さい。

 マイフォト 驪山陵(秦始皇帝陵) 兵馬俑坑写真集

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 1号坑全貌です、東を正面に長さ230メータ、幅62メータ、深さ5メータ、6000人の歩兵と32頭の戦車を牽く馬の陶俑が並んでいます。4列縦隊の歩兵が9列東を向いて行軍する隊列であります。

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 東を向いた正面には先鋒隊が三列で並び、各列68名で合計204名先鋒である。彼らは軽装歩兵であり手には弩、戈、矛を武器として持っています。弓隊・槍隊と考えればいいと思います。

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 そして側面には横隊が一列で外を向いて立っており翼衛として側面からの攻撃に対応しています。又、最後尾には后端(こうたん)即ち後衛兵が一列、西側を向いて立っています。

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 戦士が並ぶ場所を過洞(かどう)と呼び過洞と過洞の間は土で出来た隔壁で区切られています。壁面はホウの木でできた柱と板張りであり、床は磚(せん)というレンガが敷かれている。隔壁の上には棚木を渡し蓆で覆いその上に厚さ3メータの黄土が覆っていた。

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Comments

兵馬俑坑は映画でも見たことありますが、実際に見てみると
それはまた違う迫力というか奥深いものがあるんでしょうねぇ
ツアーもあるみたいなんで、今度行ってみよっかな

Posted by: そら | 2011.09.19 12:07 PM

そらさん

 コメント有難う御座います。

兵馬俑坑、興味がおありのようですね、是非、ツアーがありますから訪問されては如何でしょうか。

 西安の街は大好きな街の一つです。是非、西安で阿倍仲麻呂を想いお月さんを見て下さい。

Posted by: jo | 2011.09.19 03:25 PM

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