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NHK朝の連ドラ 『ゲゲゲの女房』が面白い

 最近は殆ど興味の無かったNHKの朝の連ドラだが、『ゲゲゲの女房』は面白い。

 漫画家、水木しげるさんの女房が主人公のようだ。メキシコ在住の娘がフアンで横浜の私の自宅には彼女が残していった水木さんの関連図書が仰山、積まれている。時折、暇なので水木さんの関連図書を読んでいたので、馴染である事もあり面白くドラマを楽しんでいます。

 今年の4月には米子空港が名称を『米子鬼太郎空港』に改称されたのは皆さま御存知ですよね。水木さんの故郷である、境港では『鬼太郎』で町興しが行われています。

 境港『鬼太郎関連』

 水木さんはメキシコのオアハカが好きで、在住の竹田鎮三郎画伯を訪ねておられるようですね。その話は娘からも聴いていたが、『本日の水木さん』やその他の関連図書でも竹田画伯のアトリエを訪問時の面白い話が掲載されている。

 荒俣宏さんや、京極夏彦さん、村上健司さん、多田克己さん達、妖怪研究グループの関連本も楽しく読ませて頂いている。彼らの京都奇祭探訪記も面白くて読ませて頂いた。妖怪というのは私が生まれ育った昭和20年代の北河内郡大字招堤村でも確かに存在していたと思います。人里離れた田圃の中の一軒家でしたから、夜になると真っ暗闇の世界です。星明りかお月さまの光しか存在しない世界でした。

 当時、自宅の庭では鶏を飼育していたので、よく『いたち』が襲ってきた。朝方に無残に襲われた鶏の哀れな姿を観たものです。子供の頃の私はだから、『いたち』が怖かった。そして、彼は妖怪になるので、よけいに恐れられていました。

 ドラマでも水木しげるさんの同郷の友人であだ名が『いたち』という人が登場しますね、多分、かれも妖怪の一人なんでしょうね。奥さんは背が高く、子供の頃は電信柱と呼ばれていたそうですが、水木さんにかかると『一反もめん』にされてしまいました、大笑いです。

 私は彼らの故郷である安来や境港という東出雲の風土が特に興味があります。古事記や日本書紀に登場する古い歴史を持つ神話の故郷であるからです。そのような場所で育ったからこそ、妖怪について語る事ができるのではないかと思っています。

 現在のドラマの進行では調布の自宅で居候の漫画家が一人います。又、今日は一人水木さんのフアンの漫画家が集まりましたね。何だか、トキワ荘を連想する雰囲気になって来ました。当時、『トキワ荘』には手塚治虫、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二夫、等々の後に日本の漫画界をしょって立つ人々が暮らしていましたね。

 未来の夢を語る漫画家に対して、水木さんの漫画は正反対でした。しかし、日本人の自然観や宗教観の根底に迫る奥の深い芯が一本通る作品群だったのではないでしょうか。そういう意味では大人の漫画だったのかも知れませんね。彼がかの大戦の南方戦線で左腕を失い、現地のジャングルの原住民に助けてもらった、死線を越えた経験が迫力を与えていると思います。

 そういう意味では、司馬遼太郎さんも同じく戦争の経験者でした。人間が如何に馬鹿げた戦いをする動物であるか、という視点に変わりはないと思います。水木さんが描く『ねずみ男』が我々現代人の欲望の塊の世界を代表して表現していると思います。しかし、そうではなく、『鬼太郎』や『目玉おやじ』、『砂かけババア』、『子なき爺』、『猫娘』、『一反もめん』という本来日本の優しい人間の善の心を持つ妖怪が、『ねずみ男』にそうではないだろうと、語りかける仏教説話とおもうような叙事詩で貫かれていますね。

 話は飛びますが、最近のカンボジア紀行、タイ紀行を通じて仏教の根底に存在したバラモン教(ヒンドゥー教)が稲作の伝播と伴に日本列島に伝播していたのではないかと考えるようになって来ました。水木さんの故郷の出雲でも記紀で記録された『ヤマタノオロチ伝説』もインド神話に起源を持つ『ナーガ神』ではないかと疑いを持っています。

 カンボジア、タイでは5つの頭を持つ蛇の神様ですが、何故か八幡信仰で8つの頭を持つ蛇に変貌させられたと考えるようになっています。本来は、5つの頭を持つ蛇神さん(ナーガ)ではなかったかと疑いがあります。特に、製鉄の技術を持った海洋民が南方から伝えたたのではないか、彼らはインドの神話、即ちヒンドゥーの神を信奉していたと考えます。

 それ以外にも『ラーマヤーナ物語』を原典とする『桃太郎の鬼退治物語』、ガルーダ神が日本では『天狗』という按配です。今後、長い時間をかけて民俗学や考古学の世界で物証が発見される事を夢みています。

 

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