長安(西安)・北京紀行その5 藍田原人・仰韶文化(半坡遺跡)
承前 長安(西安) ・北京紀行その4 長安城(漢・唐・明 各時代)
陝西省歴史博物館を訪問しました。少し、西安近郊の先史時代について触れてみたいと思います。先ずは、150~100万年前の原人の話からです。
『藍田原人(らんでんげんじん)』
北京原人については有名ですが、西安東南部の秦嶺山脈の藍田県の遺跡から頭蓋骨と下顎の骨が発見され約100万年前のホモ・エレクトスとされる。現代人の祖先では無いそうです。中国では藍田原人以外にもっと古い時代の原人と想定される元謀原人(げんぼうげんじん)が雲南省でみつかっている。170万年前と推定されているが、歯の発見だけであり諸説あるようだ。
写真がぼやけていて申し訳ありません。
写真は藍田原人の頭蓋骨と下顎の化石です。
『仰韶文化(ぎょうしょうぶんか)』
仰韶文化とは黄河中流域に紀元前4千8百年から紀元前3千年頃栄えた文化です。仰韶文化は3区分されますが、一番古い時代の文化は、西安の東の渭河の支流域に栄えた半坡遺跡(はんぱいせき)が有名です。それを半坡類型と呼び、そして、次の時代が廟底溝類型であり、最後の時代が大何村類型と呼ばれ紀元前2千8百年頃終焉する。
これらは黄河流域の文化であり、同時期に長江流域でも異なる文化が栄え、日本では三内丸山遺跡(紀元前3千5百年~紀元前2千年)の縄文時代でした。
陝西省歴史博物館では仰韶文化とりわけ、西安の東に位置する半坡遺跡から出土した遺物が多く展示されています。勿論、現場の半坡博物館の方が充実していると思います。
遺跡のジオラマです、環濠集落で丸い屋根の住居と四角い屋根の住居がみられます。中央に大きな広場があります。公共の場だったのではないだろうか。
彩文土器です、半坡遺跡から出土した土器です。左側の鉢に注目下さい、内側の真中に人の顔か虫なのか判らないのが描かれ右に魚が描かれている。遺跡の発掘からアワを中心とする農耕と豚・牛を飼育し渭河の支流で漁業も行っていた事が判明してるそうだ。
土器には文字のような物が描かれており、甲骨文字に先行する何らかの文字であるかどうか研究中のようです。この彩文土器を観てると、地中海のクレタ・ギリシャの土器やメキシコのオアハカを訪問した時に観た土器に似ているように思うのですが、不思議です。
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