不思議発見 鉄の民『クーイ』が支えた
先日、テレビ番組『不思議発見』で、謎の民『クーイ』が明かす! 密林の大国 クメールというなが~~い題目で番組が放映された。懐かしいアンコール・ワット、アンコール・トムを残したアンコール王朝の話なので、興味を持って番組を観た。
結論から言うと、カンボジアの若き研究者である池上真理子さんの東京外大時代の卒論がベースである事が判った。現在は上智大学の大学院博士課程におられるとようですが、実に立派な論文だ。
参考 池上真理子氏論文『アンコールの鉄生産ー非農業民が支えたアンコール』
上智には世界的にアンコール遺跡の権威であられる、石澤良昭氏がおられるので、アンコールを研究するのは最高の場所で研究されているのでしょうね。私も今年の正月に箱根駅伝のゴール地点の近くで、石澤氏が開催されていた『アンコール遺跡展』を見学に女房と連れだって出かけていました。
クーイ族は製鉄の民だそうだが、ラオス国境近くの山とタイの東北部にも存在し産出する鉄鉱石から鉄の生産をおこなっていた。クメールは9世紀から14世紀の頃までインドシナ半島の殆どを制圧した王朝でしたので膨大な鉄の需要が必要だったと思います。
テレビでは製鉄の遺跡が発掘された現場を放送していました、製鉄時に発生する鉄滓(スラグ)が層をなしていました。20基も発見されたと報道していましたね。膨大な鉄を生産していたようです。
鉄はアンコール・ワットの石組にも使用されたようで、砂岩ブロックを繋ぐラジコン用語で言うヒンジ材として鉄を利用していたようだ。武器や土木作業、農作業に必須なのが鉄製品ですからね。古来、鉄は国家でした。
ただ、テレビで登場したクーイ族の長老が持参した剣は明らかに日本刀でしたね。6~70年前の日本軍の刀ではないだろうか。クメール時代の武器として日本刀のようなものが存在したとは思えませんが。明らかにソリがあり、引いて切る武器でしたので疑問がでました。
クーイ族の中には象を操る職種の人も存在したようだ。戦争や土木工事で象は重要な動力でしたので、クーイ族はクメール人で無くても、稲作をしなくても、日本の古代風に表現すればクーイ連(むらじ)、として重宝されたのではないだろうか。物部氏のような存在だった可能性がありますね。
今度は是非、タイの東北部の地域やカンボジアのクーイ族のいるラオス国境地域を歩いてみたいと思いました。
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