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エジプト紀行その10 パピルス

 承前 エジプト紀行その9 カイロ(ナイルの賜物)

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 エジプトというとパピルスが有名ですね。英語のPaperの語源はPapyrusだそうです。ナイル川下流域、所謂、下ナイルの湿地帯にはパピルスという多年草の草が沢山生えています。茎が三角形をしていますが、表皮を剥ぎ、茎を薄く切り水に浸け、木づちで叩き縦横に並べて圧縮したものがパピルス紙です。写真のカイロ大学を出た彼女が実演してくれました。

 ちなみに、エジプトの観光地で売られているパピルス紙と思われる紙に絵が描かれた多くは偽物だそうですよ。彼女がパピルス紙の見分け方を教えてくれました。

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 エジプト考古学博物館ですが、前庭にプールが有りますね、真中に貧弱なパピルスが植えてあります、周りはロータスですね。パピルスは下ナイルを代表するもの、ロータスは上ナイルを代表する植物であり、エジプトはこの両方の地域を統合しなければファラオーとして認められないという深い意味があるそうです。

 パピルス紙は紀元前2400年頃には発明されていたそうです。ローマ、ギリシャはこのパピルスを仕入れ書物を作りました。ギリシャ、ローマ世界は当時羊皮紙という羊やヤギの皮をなめしたものに文字を記録していました。

 本格的な紙が出来るのは後漢の時代です、2世紀ですね蔡倫という後漢の和帝に使える宮廷の人が植物繊維をすいて紙を作る事を発明しました。ヨーロッパに伝わるのは9世紀頃ではないでしょうか。日本には仏教の伝来とともに聖徳太子さまの頃だと言われています。

 昨年、娘が久しぶりに帰国した折り、版画用の和紙を買い付けに行くと言うので文京区まで付き合いました。昔ながらの楮(コウゾ)・ミツマタの木から作る和紙ですが店に入ると和紙の独特の匂いが立ち込めていました。高価なものですが、やはり重要な美術作品では和紙を使用するのですね。

 紙の発明により文化・文明は飛躍的に進歩したのではないでしょうか。北京オリンピックの開会式で中国が自慢していたのも納得です。

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