『坂の上の雲』 第二回 青雲
今回は真之と子規が大学予備門に入学出来て必死に勉強する場面が中心でした。二人は一緒に暮らし始めた。英語が苦手な子規に対して、秀才の夏目漱石が登場します。子規と漱石の出会いが始まった。当時の大学予備門に入学出来て勉強する人は秀才中の秀才だったでしょうね。まさに、将来の日本を背負って立つエリートと人々は考えていたと思う。
若い頃の1年は年寄りの10年に匹敵するほどの強い印象を残すと思います。あらゆる新しいものを吸収し、異文化に憧れ吸い取り紙に水が沁みこむように膨れ上がる。友との絆も生涯のものとなったと思います。皆さんの経験でもそうではないでしょうか。あの新撰組の青年の激動の経験もたった2年少しの期間だった訳ですから、如何に青春時代は短く炎のような大事な期間であるか判ります。
大学予備門入学の祝いの席に旗本の娘が鯛を祝い膳として出す場面がありましたが、まさに将来は大臣か博士の卵と映っていたと思います。そんな真之も中退し海軍に行く事を決める。
(メッケルとモーゼルワイン)
好古の陸軍の学校ではドイツから招聘した日本陸軍創設の祖と呼ばれるメッケルさんが登場していました。
彼はモーゼルワインが大好きで赴任の条件だったようですね。彼の故郷であるトリアー(Trier)はドイツ西部のモーゼル川のほとりの古い街、ドイツでは数少ないワインの産地だそうです。
グーグルアース トリアー地図
「Trier.kmz」をダウンロード ちなみに、私が数回でかけたフランスのブルゴーニュのワインの産地と地図で比較して下さい。随分と緯度が上である事が判りますね、赤葡萄酒は寒くて出来なくてリースリング系の白葡萄酒だといいます。
当時の明治政府は優秀な外国人教師を日本に招聘し、若い日本人の青年の教育に熱心だった訳です。この明治維新から40年程度の期間に日本人は欧米の文化・文明を吸収し新しい漢字を沢山創造した事は事実です。以前に記事に書いたがこの当時に日本人が欧米文化・文明を漢字に翻訳し現在も中国人が使用する漢字の30%~40%はこの当時に日本人が創造した漢字だという話でした。
例えば、経済、共産主義、社会主義、資本主義、民主主義、等々ですよね、これはアジアの留学生、特に中国からの留学生が母国に持ち帰り広めた訳です。番組でも、子規が翻訳した漢字である野球とか内野、外野とかベースボールに関する漢字の話が登場していましたね。まさに、日本という国がアジアの中で欧米文化・文明を貪欲に吸収した歴史が漢字として残った訳です。
好古は松山の殿様の面倒をみる為にフランスの陸軍の学校に留学しました。ナポレオン直伝のフランス騎兵を学ぶ訳ですが、当時の日本陸軍はメッケルのドイツ陸軍でしたから、本流からは逸れる事になりました。しかし、彼は最後には陸軍大将にまで上り詰めます、それはこれから後のお楽しみです。
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