葛城の古代の記憶
衛星から葛城地方を眺めた図であります。今まで一言主神社について何回か記事を書きました。そして、京都の太秦や糺の杜の下賀茂神社について葛城氏の歴史を辿りました。
さて、葛城山と金剛山の麓に賀茂(鴨)氏に関わる場所が多いですね。金剛山は中学生のワンゲル部の時代からよく登山をした場所ですが、葛木神社が存在するのですね。
どうやら、役小角時代以前は金剛山は葛城山もしくは高天山(たかまがやま)と呼ばれたようです。山頂の葛木神社の祭神は一言主の大神です。という事は、葛城山の麓の一言主神社の奥宮(山宮)という事になりますね。
高天山と発音するとなると、麓の高天彦神社(たかまひこじんじゃ)と高天原(たかまがはら)が気になります。さて、高天彦神社とは何でしょうか。
(高天彦神社)
この神社は延喜式では最高の社格を持つ神社だそうで、祭神は高皇産霊(たかみむすび)の神であり葛城氏の祖と言われている。古事記で述べる天照が住む天上の地がこの場所であると言うのでしょうか。神社の傍に高天原(たかまがはら)という地名が存在します。神社の名前からして高天山に住む男性の神となりますね。
しかし、地上に降臨する前の神々の場所が存在していいのでしょうか、是非、一度は訪れて確認しないといけませんね。中学生の頃にもっと歴史を勉強しておれば良かったですね、ワンゲルで山を歩くしか能が無かったのが悔やまれます。
(鴨の上社・中社・下社)
衛星写真を見ると高鴨神社(上社)と葛木御蔵神社(中社)と平野部に鴨都波神社(下社)と三か所に鴨の神社が存在します。この上社の高鴨神社の社格も延喜式によれば大神神社や大和大国魂神社と肩を並べる程高いそうです。鴨氏の祖霊を祭っているようです。神社の由緒を読むと鴨氏は神武天皇を八咫烏(やたがらす)となり熊野からヤマトに案内し神武・綏靖・安寧天皇の后をさしだし葛城山麓に葛城王朝の基礎を作ったと述べる。
しかし、私の古事記の解釈では神武さんには日向時代(薩摩半島 吾田隼人)の嫁さんとヤマトに入植してからは、淀川右岸の三島(現在の高槻市)にいる大物主さんが現地の豪族に産ませたヒメタタライスズヒメさんだと思います。(しかし、日本書紀と先代旧事本紀では事代主神としており鴨の祖と考えがあるのかもしれない)。
グーグル アース 極楽寺ヒビキ遺跡
参考:橿原考古学研究所2005年7月13日発表資料 極楽寺ヒビキ遺跡の大型建物跡発掘
参考:橿原考古学研究所2005年2月26日発表資料 極楽寺ヒビキ遺跡調査
葛城氏は記紀によれば4世紀末の葛城襲津彦あたりから強大な権力を獲得し5世紀半ば過ぎに雄略天皇に滅ぼされるまでは政権の中枢に座っていた事は確かである。この発掘は5世紀前半の葛城氏全盛の頃の遺跡であるかもしれない。
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Comments
葛城(かつらぎ)+秦氏+葛野(かどの)
と、こうなるわけですね。
葛城王朝のことは、今回の旅行でますます興味がわいてきました。
Jo説では、葛城と邪馬台国とは別種とみるわけですね。そして葛城はより土着的と。
葛城・金剛・吉野は一体と味わいました。
誰も知らない、未知の王朝があったのでしょう。しかし、そういう壮大な葛城王朝説は、鳥越さん以後、どうなったのでしょう。騎馬民族征服説と重なるのでしょうかね。
いずれも、半ば忘れられた(伝奇好きはみんな、頭にこびりついているけど)古代史ですが、今回の纒向遺跡発掘とリンクしそうですね。
三輪、磐余、葛城。
課題が大きすぎて、生きている間に解けるかどうか(笑)。そこに「邪馬台国」をどのように挿入するのか。うむむ。
Posted by: Mu | 2009.12.08 08:28 PM
Muの旦那はん
私の現在の解釈は土蜘蛛と呼ばれた人々は葛城に土着していた人々であり、南方系の人々ではなかったかと解釈しています。
神武さんが熊野から吉野に入った時に吉野・宇陀あたりには実は日向系(吾田隼人、大隅隼人、日向系の人々)が既に入植していたと思います。それが、葛城氏ではないでしょうか。
だから、神武さんの道案内を同族として協力した。その神話は三本足の『ヤタガラス』になったのかもしれない。何故なら、いざなみさんは熊野に埋葬されたという。
これも仮説の域ですが、葛城と九州や海外と深い関係がありそうなんです。それが、最盛期の4世紀末の葛城襲(薩摩半島の湊の男)津彦となり歴史の表舞台に登場する。
これから、お互いあまり時間はないですが、謎が多くて楽しいですね。
Posted by: jo | 2009.12.08 09:45 PM