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纏向遺跡のバイブル『大和・纏向遺跡』

20093nara_056  纏向遺跡が話題を集めています、この遺跡を学ぶには石野博信氏の『大和・纏向遺跡』学生社を読まなければいけないようです。増補新版が2008年10月に出版されています。

 この数日間面白くて読んでいますが、遺跡の保護というのは最後は人間であるとつくづく感じています。あの、吉野ヶ里遺跡でも高島忠平氏がおられなかったら遺跡は守られなかった。日本各地で今まで執念の人が居て遺跡は守られたのではないだろうか。偉い学者が遺跡を守るのでは無い、地元の人やその遺跡を守りたいと執念を燃やす人が居なければ歴史から消されて行くのではないだろうか。

 石野氏のこの膨大な500ページを越える『大和・纏向遺跡』の本を読んでいて恐ろしい執念を感じました。シュリーマンの『トロイの遺跡』を彷彿とさせます。30年間も纏向遺跡を発掘するエネルギーは何処から来るのだろうか。日本国民にとり我々の国家の発祥の地は何処なのか、置き去りにされている。戦後の歴史・考古学会は記紀を神話のおとぎ話の如く扱い、日本建国神話もフィクションとして扱って来た歴史がある。

 纏向遺跡は弥生時代とは確実に一線を画す日本独自の前方後円墳が誕生し九州から関東にかけての幅広い地域の土器が出土する南北2キロで囲まれた大きな遺跡である。そして、巨大な神話に包まれた箸墓古墳が存在する。昼は人が造り、夜は神が造ったという、そして石を逢坂山から人々が列を作り手渡しで運んだという。ヤマトトビモモソヒメ造墓の記述である。

 古墳の発掘は成果が直ぐに出易い、しかし、南北2キロの広大な町・都・邑の発掘は容易ではない。石野氏の話では発掘当時は調査報告書を印刷する金もなく、同朋が内緒で寄付してくれた金で印刷出来たとか、無償で沢山の人々が発掘を助けてくれたそうです。

20093nara_055  そろそろ国も纏向遺跡全体を特別史跡に指定しヤマト王権萌芽の地を是非、予算を計上して守って欲しいと思います。現在は寄付を募集して発掘調査を進めておられます。

 今後はこの『大和・纏向遺跡』をバイブルとして温かく見守って行きたいと思います。

 (太田微高地について)

 以前に太田微高地の地名について、多神社の多氏との関係を気にしていましたが、石野氏は崇神天皇時代の大田田根子との関係を示唆されていました。

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