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禁野車塚(きんやくるまずか)古墳関連メモ 箸墓古墳相似形

 2009年5月早稲田で開催された日本考古学協会第75回総会の研究発表で掲記、枚方の『禁野車塚古墳』に関する研究発表がなされた。関西大学(米田文孝)、京都橘大学(一瀬和夫)、京都府立大学(菱田哲郎)、枚方市文化財研究調査会の4者で発表された。Photo  

 グーグルアース 禁野車塚古墳、牧野車塚古墳

「kinnyakurumazuka.kmz」をダウンロード

 枚方市文化財 禁野車塚古

 禁野車塚古墳は天野川に面した場所で、私の家内が子供の頃に近くに住んでいましたし、私も近距離の招堤村でしたから、馴染みの古墳です。

 自分の地元の古墳の研究発表には興味がより強く湧きますね、さて、どんな発表だったんでしょうか。

 発表論文は『禁野車塚古墳の墳丘測量調査結果』という題目です、目的は1966年に測量したものが1mコンター(等値線)の精度だったので、より詳細な20㎝コンターの精度で再度測量をし直したそうです。2008年8月に平板測量図とトータルステーションによるデジタル3次元測量図の二種類を作成した。平板測量は私も早稲田で教えて貰いました、学生の教育用としては一度は経験しないと駄目なんでしょうね。

 最近は殆どトータルステーションで測量を行うようですね、これも早稲田で教えて貰いました。コンピュータの会社に40年も居た人間としてはこちらの方が馴染み易いですね。

 (測量結果)

 墳丘長120(110)m、後円部径63(57)m、同高9(9.9)m、前方部幅55(40)m、同高3.4(4)mであった。尚括弧内は1966のデータである。墳頂平坦面は径22m、くびれ部は幅25m、同高3mとなる。特徴として

 ・天野川に面する平地に築造されている

 ・墳丘の上半分は盛土でつくられる

 ・墳丘頂は南北方向の楕円形で下に主体部の存在を想定

 ・後円部は西側前方部に尖る卵形を呈する

 ・後円部からくびれ部にかけて明瞭なスロープがある

 ・後円部裾はくびれ部付近で正円形から外側に外れ、明瞭に屈曲せずに前方部へゆるやかに続く。

 ・前方部の幅がくびれ部で最も狭くならず、その部分はくびれ部より前方部前面側による。

 ・前方部側辺は内側にゆるく弧状を呈し、総じて細長い撥形の前方部となる

 (結論)

 ・墳丘の各部数値と墳丘の特徴によりことごとく、兵庫県姫路市の丁瓢塚(よろひさごつか)古墳と一致する。この古墳は箸墓古墳の平面プランを縮小した相似墳と認められている。『参考 丁瓢塚古墳1その2』 

 ・禁野車塚古墳は箸墓古墳の類似墳として考えられ、河内の中では数が極めて限られる最も早くに築造された古墳の一つである。

 ・現状では二段築造とみられるが、墳丘裾の位置状況から2.4mの高さの段がその下に存在する可能性が高い。築造時期は4世紀初頭か3世紀代に収まる可能性が高い。

 ・古墳周辺で板石が見つかり、橄欖石(かんらんせき)安山岩で大阪府柏原市国分の芝山産といわれる。箸墓古墳や黒塚古墳なんどの大和東南部、産地付近の柏原市松岳山・玉手山古墳群などの前期古墳に集中する。この他の地域で使用されるのは、木津川の椿井大塚山古墳、兵庫県神戸市西求女塚古墳などに限られる。Photo_2

 ・一方、北にある牧野車塚古墳の葺石の石材は徳島県吉野川流域産の結晶片岩、紅簾石片岩、兵庫県猪名川流域の石英斑岩、大坂府春日山産の輝石安山岩である。これは、淀川水系右岸の前期古墳と共通する。しかし、禁野車塚古墳と木津川の椿井大塚山古墳の石材は異質である。

 ・芝山と大和東南部の強い繋がりを考えると、禁野車塚古墳への石材輸送は、大和川を上り富尾川を経由し天野川を下るルートが想定される。

 ・牧野車塚古墳は淀川から眺望出来るが、禁野車塚古墳は淀川に流れ込む天野川下流のごく限られた地域のみからしか見えない。しかし、天野川を通過する時は必ず出くわす古墳である。

 ・淀川水系には日本の古代国家成立の実態を解明する上で欠かせない重要な初期古墳群が存在するという事が言える。

参考 丁瓢塚古墳「hisagotsuka.kmz」をダウンロード

参考 西求女塚古墳「nishiotometsuka.kmz」をダウンロード

参考 過去記事 物部氏の故郷

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