メキシコ20世紀絵画展 & 利根山光人とマヤ・アステカの拓本
日本メキシコ交流400周年記念のイベントとして、世田谷美術館で開催されている『メキシコ20世紀絵画展』 & 『利根山光人とマヤ・アステカの拓本展』に出かけた。
NHKも主催者の一人なので、既に番組が組まれていたので、観られた方々も多いと思います。
目玉は、フリーダ・カーロの『メダリオンをつけた自画像』でした。番組でも取り上げられていましたが、結婚式の服装ですが、顔が男のようですね。これが、現物の前に立つと立体的に映るのです、だまし絵かと思うような不思議な肖像画でした。顔が三次元のように浮かび上がっているのです。このような不思議な肖像画に会ったのは初めての経験ですね。
彼女を襲った不幸な病気や交通事故にも果敢に立ち向かった人生が凝縮されているようでしたね、勇気を貰える見事な肖像画でした。
ホセ・クレメンテ・オロスコの『十字架を自らの手で壊すキリスト』、『死者』は圧巻でした。メキシコの300年に渡るスペインの植民地化に手を貸したキリスト教、人々を救う筈の宗教とは何なのだ、怒りの爆発が観る人の心を撃ちました。彼自身はキリストを深く信心している敬虔なクリスチャンです、だから迫力があるのです。
竹田鎮三郎画泊が師と仰がれた、北川民次の絵が二点、オアハカで馴染みのルフィーノ・タマヨ三点も展示がありました。
『利根山光人とマヤ・アステカの拓本展』
この画家もメキシコ美術に衝撃を受けた日本人の一人ですね。北川民次、岡本太郎、竹田鎮三郎、皆さんメキシコの湧き上がる炎の精神に感動を受けた人々です。
私は、絵画よりも彼が収集したマヤ・アステカの考古遺物特に神殿のレリーフから取得した拓本の迫力に感動しました。壁一杯の巨大な拓本は観る者を感動させます。私もオアハカのモンテアルバン遺跡やサンタマリア・アツォンパ遺跡や幾つかの遺跡を巡りましたが感動が蘇りました。
先日、早稲田の考古学教室で拓本の取り方の実習をしましたが、これが意外と難しいのですね。これだけ巨大な神殿のレリーフを沢山とるのは並大抵の作業では無かったと思いますし、貴重な文化遺産であると思います。マヤ文字やアステカの文字を研究している人に取り貴重な資料、世界遺産だと思います。
オアハカに出かけて身体で感じた感動の原因は何だろうと、帰国後も考えていましたが、最近は私たちの祖先の一つである縄文人の血が彼らにも流れているからではないだろうかという根拠もない仮説に辿りついています。その根拠の一つはルフィーノ・タマヨ美術館で見かけた考古遺物とアツォンパ遺跡に出かけた時に乗ったタクシーの運転手の顔と身体が衝撃でした。
まるで縄文人ではないかと思いました、これは山で鍛えた山勘です。論理的ではないが、必ず7千年以上前にアリューシャン列島から船で北アメリカの海岸を周遊した縄文人がいた筈であると思っています。通説は陸路氷河期が終わる頃にモンゴリアンが北米に渡りアメリカ大陸を南下したというのが正しいと言われている。しかし、海の道は存在したと思います。
縄文土器に美術品としての価値を与えたのは岡本太郎です、彼はメキシコに渡り激しい衝撃をを受けたた理由も共通項は縄文の血ではないかというのが、学問的に根拠がない私の勘であります。今度、縄文の専門家である高橋龍三郎先生やマヤの専門家の寺崎秀一郎先生にお会いしたら訊いてみようと考えています。
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