« まゆさんの独演会 | Main | 古墳出現の炭素14年代(日本考古学協会研究発表会) 感想 »

国宝 七支刀 空白の4世紀

 石上神宮所蔵神宝の七支刀は国宝であります。この刀は異様な七枝を持つ刀であり表裏に文字が彫り込まれている。中国文献に登場しない4世紀の日本列島を探る重要な資料であります。全長74.9センチ、刀身65.5センチ鍛造された軟鋼で出来ており儀刀とも呪刀とも呼ばれている。

 写真 国宝 石上神宮神宝 七支刀

 この銘文の解読は困難を極めており過去多くの議論と学説が登場しています。そして、当時の倭国と百済の関係は如何なるものであったのかを読む貴重な資料であるにも関わらず日本側と韓国側では意見が対立しています。しかし、この刀は物部氏の精神的拠点である石上神宮の神宝であり簡単に科学的な解明も難しいと思います。

 過去記事 石上神宮と出雲

 そこで、参考までに岡山大学名誉教授の吉田晶さんが書かれた『七支刀の謎を解く』という本を読みメモを残すことにしました。

 ・明治6年~9年に石上神宮の大宮司の菅政友氏がこの刀に文字が刻まれている(金象嵌銘文)事を発見する。解読に努力する。

 ・明治25年星野恒氏が『七枝刀考』にて、この刀は日本書紀の神功皇后摂政52年9月丙子条の『七枝刀一口』の刀の事であると指摘する。

 ・日本では福山敏男氏・榧本杜人(かやもともりと)氏の研究、韓国では金錫亨(きんしゃっきょう)氏などが銘文解釈研究を行った。韓国の学者の立場は百済がヤマト王権に下賜したという見解で銘文の解読を行っている。金錫亨さんの説では泰和の年号は百済の年号であり5世紀の話であると述べ、「下行文書」形式であり「侯王」とは百済の下位に見る見解である。

 ・それに対して福山・榧本氏の考えは泰和4年とは東晋の太和4年であり369年で4世紀の時代の話であると展開し、現在は百済に独自の暦は存在しないという事は確定したそうだ。

 ・吉田晶氏の銘文解読を紹介します。

 ・(表)泰和四年十一月十六日丙午正陽造百練、金偏に夷、七支刀出辟百兵宜供供侯王□□□□作祥

  泰和4年(369年)11月16日、丙午(刀剣を作るのに良い日)と正陽(良い時刻)を選んで、よく鍛えた鉄で七支刀を造った。この刀はあらゆる兵器による災害を避けることが出来、礼儀正しい侯王が所持するのに相応しいものである。○○○○の作っつたものである。

 ・(裏)先世以来未有此刀百済王世子奇生聖音故為倭王旨造伝示後世

  先世以来、このような刀は無かった。百済王の世子である私は、神明の加護を受けて現在に至っている。そこで、倭王の為にこの刀を精巧に造らせた。末長く後世に伝えられる事を期待する。

 と解読されています。ここで、世子とは近肖古王の息子の貴須王子(近仇首王)であると考えていますね。この頃は百済は高句麗、新羅と戦い特に南下する高句麗と激しい戦争をしていた時期であります。倭は伽耶・加羅諸国の鉄を確保する為に駐屯し三国の戦争の狭間におり伽耶・加羅諸国を守っていた。

|

« まゆさんの独演会 | Main | 古墳出現の炭素14年代(日本考古学協会研究発表会) 感想 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

先日は、お忙しい中ご来場いただきありがとうございました。
久しぶりの独演会でいろいろプレッシャーがありましたが、満員のお客様の前で歌うのは気持ちのいいものです。
また、お会いできる日を楽しみにしております。

Posted by: まゆかつ | 2009.06.01 10:49 AM

 まゆさん おはようさん

 先日はお疲れ様でした。沢山のファンの人々に囲まれて幸せそうでしたよ。それなりに歳をとった人ばかりだけどね。(笑)

 何時までも、若者の気持ちで楽しい演奏会を末長く開催して下さい。楽しみにしています。

Posted by: jo | 2009.06.01 11:31 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« まゆさんの独演会 | Main | 古墳出現の炭素14年代(日本考古学協会研究発表会) 感想 »