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韓国の遺跡発掘情報 朴天秀(パクチョンス)氏のご紹介

 朴天秀氏は阪大の大学院に留学され、現在慶北大学校人文大学考古人類学科の副教授をされています。1963年生まれだから46歳と一番元気な年頃ですね。彼が出版した『伽耶と倭』について私が興味を引いた位部分のメモを認めます。

・任那という言葉が日韓の間の大きな歴史認識問題となっています。任那という言葉は日本書紀に書かれ、任那の日本府という言葉を我々も教科書で習ったかも知れない。しかし、この言葉は日本側でしか記録されていない言葉であり、韓国の人々は認めていない。

 最近は日本の学者さんも、植民地ではなく倭の軍隊が洛東江流域の鉄の権益を守る為に現地の洛東江流域の国々から頼まれて駐屯していたのではないかと発言する日本の学者も増えているそうです。私も、昔から倭からは朝鮮半島の人々が欲しがる、大して輸出する物もないのに鉄と何を交換していたのか、疑問でした。

 それは、今も続いています。弥生時代が始まった頃の日本列島では稲作の為に農耕具、土木作業の道具として鉄は必須だった。先進国である韓半島の弁韓諸国、辰韓諸国の人々に与える事が出来たものは傭兵しかなかったのではないでしょうか。

 しかし、日本列島では朝鮮半島から輸入した鉄挺(鉄の延板)を輸入し大きな生産力を持つ列島へと進化しました。日本列島で鉄が鉱石から本格的に製造出来るようになったのは6世紀頃からではないだろうか。確か継体天皇の時代からだと思います。

 朴先生は任那とは6世紀前半に咸安郡(ハマン)郡の阿羅伽耶に派遣された倭の外交使節が滞在した倭臣館であると述べています。Haman_2

さて、韓国での倭との関連する遺跡発掘の最近の歴史を朴さんは紹介されています。

 『1970年代から1980年代前半』

 ・高霊(コリョン)郡、池山洞(チサンドン)古墳群と釜山市福泉洞(ポクチョンドン)古墳群での発掘です。Photo Photo_2

 鉄製甲冑と馬具が発掘されました。従来の日本列島起源ではなく韓半島起源である可能性が高い事が確認された。池山洞32号墳出土の鉄製甲冑が出土したが、これは日本列島で制作されたものが伽耶地域に持ち込まれたものと判明した。

 伽耶地域と日本列島の緊密さが証明されたわけです。

 『1983年 固城郡(コソン)松鶴洞(ソンハクトン)1号墳の発掘』Photo_3

 ・日本列島独自の古墳形態と考えられる前方後円墳が見つかりました。それが1983年発掘の固城郡松鶴洞古墳なのです。その後、海南郡(ヘナム)の方山里(パンサルリ)長鼓山(チャンゴサン)古墳と龍頭里(ヨンドウリ)古墳も前方後円墳である事が判明した。Photo_4

 朝鮮半島南部で日本独自と考えられた前方後円墳が発掘され始めたのです。これは、画期的な事でした。

 『1980年代後半』

 ・陝川(ハプチョン)郡、玉田(オクジョン)古墳群の発掘。Photo_5

 調査により5世紀後半以後、日本列島全域で出現する金銅製装身具、馬具は伽耶内陸部の大伽耶で制作されたと想定される。南部の金官伽耶だけではなかった。

  ついでに、大阪南部の大庭寺(おおばでら)遺跡は初期須惠器の工人が金官伽耶とその周辺地域から移住したと想定。

 『1990年代前半』

 ・金海(キメ)市大成洞(テソンドン)古墳群と良洞里(ヤンドンニ)古墳群の発掘。Photo_6

 金海は魏志倭人伝の句邪韓国の場所と考えれている場所です。この古墳群の発掘により以下の遺物が発掘された。

 ・巴型銅器、紡錘車形石製品、鏃形石製品、玉杖(ぎょくじょう)、広形銅矛、鏡が出土し日本列島独自の威信財と考えられるものが金官伽耶の王墓の副葬品として出土したのだ。これは、日本列島から渡来したと考えられる。

 ・日本列島産と考えられてた筒形銅器も金官伽耶で列島より早い時期に制作されてた、可能性が高まった。

 『その後』

 ・霊岩郡(ヨンアム)チャラボン古墳、咸平(ハムピョン)郡、新徳(シンドク)古墳も前方後円墳である事が判明し発掘された。Photo_7

 そして、光州市(クワンジュ)、明花洞(ミョンホワドン)古墳、月桂洞(ウオルゲドン)古墳も前方後円墳として発掘。

 韓半島南部の前方後円墳は栄山江(ヨンサンガン)流域を中心に13基も発掘された。

Photo_8  私の感想は次回に記録したいと思います。

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