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方格規矩神獣(四神)鏡 入門

 卑弥呼の時代を解明するのに重要な遺物として鏡がありますね。考古学者、歴史学者、多くの先輩諸氏は弥生時代から古墳時代に埋葬された墳墓より夥しく出土する鏡の分析をされてきたようです。今日はその中で卑弥呼と重要な関連がありそうな、方格規矩神獣(四神)鏡についてメモをしたためます。

 参考資料 青龍三年銘 方格規矩四神鏡

 この青龍三年銘は重要な年号であります、二か所で出土していますが一つは私の住んでいた枚方のお向かいさんの高槻の安満宮山(あまみややま)古墳とYsさんの故郷である丹後半島の京都府峰山町・弥栄町の大田南5号古墳から出土しました。

この青龍三年という年号は魏の年号であり西暦235年にあたります、卑弥呼が魏に使いを出した4年前の年号であり卑弥呼が魏より貰い受けた鏡の可能性が高いという訳です。

 (鏡の入門編)

 実は最近 来村多加史(きたむら たかし)先生の”キトラ古墳は語る”NHK出版を読み詳しくこの方格規矩神獣(四神)鏡について理解を得ました。先生は中国歴史博物館で長年の研究をされた古器物学の権威の孫機氏が書かれた”漢代物質文化資料図説”を元に解説されています。

拡大図を見て下さい、真ん中が飛び出ていますねこれは鈕(ちゆう)と呼びひもを通すところで手に持つか鏡台に縛るところです。この鈕を囲むように四角の区画がありますね、これを方格と呼びます。

 方格の内側に丸い模様(半球体文様)が12個線に沿って並んでいますね。その間に十二支の文字が配されています。写真では左下に申(さる)、左中に酉(とり)、左上には戌(いぬ)の文字が確実に判明しますね。

十二支の方角は子が北、卯が東、午が南、酉が西にあたります。この方格を囲む円の中にT,L,Vの二重線で描かれた文様がありますね。方格の左の真ん中に接してT型の文様が見えませんか、その先に円に接してL型の文様、其のまま円を下に辿るとV文様がありますね。

 これは曲尺やT字形定規ににた文様という事で規矩文(きくもん)と呼ぶそうですよ。西洋の学者はTLV文と呼ぶそうだ。T字形文の左右には丸い文様これを乳と呼ぶが、これが四方で八個、方格を取り巻いている。

TLV文と八乳の間には様々な鳥や獣が描かれている。先生の書かれた本で孫機氏のデザイン画では寅の位置に青龍、巳の位置に朱雀、申の位置に白虎、亥の位置に玄武がおあります。しかし、この写真では申の位置には鳥としか思えない模様だし、巳の位置もよく判明出来ない。もっと判り易い写真が無いか申し訳ないです。

 しかし、申の下には一角獣らしきものが見える。これは孫機氏の説では麒麟だそうだ。鏡背文は全体として四神と麒麟をあわせた五霊を表現したものだと論じる。円形文様の外側には吉祥文の記された銘文帯がめぐります。その外にギザギザの鋸歯文(きょしもん)と雲文が鏡の端をめぐる。

以上が概略の方格規矩神獣(四神)鏡の概要です。実はこの文様は陰陽五行思想の曼荼羅であると言う。古来中国では圭表という観測器具が存在したそうで、圭とは地面に横たえた物差しで、表は垂直に建てられた八尺の柱だそうだ。結論から言うと古代の君主が祭祀した状況をこの鏡が表しているという。

垂直の柱で夏至、冬至といった観測をしたそうで、農業国を治めるには必須であったようだ。

 

 鏡の真ん中の出っ張りは八尺の柱を現わし、四角いこの地上を治める世界に立ち、その柱の先端から引き綱が八方向に引っ張り(八紘という引き綱)、八個の乳はアンカーボルトである。TVL文は柱を垂直に立てる為の観測器具であるという。

年寄りの人とはよく八紘一宇(はっこういちう)という言葉を言いますね、戦後生まれの我々には馴染がありませんが、実はこの言葉は八紘を天と地を繋ぐ八本の綱と考え、綱が放射する八方の全てを覆っつて全世界を一つの宇(家)とする天子のイメージを表現したものがそうだ。

 この世は四角で表し、天は円で表す、方格規矩鏡はこの四角と円が交互に模様とされ、実は実際に古代中国の天子が祭祀を行った様子を其のまま具現化された重要な曼荼羅絵だったのです。だから、卑弥呼は天下を治める重要なこの曼荼羅が欲しかったのでしょうね。日本で真似て鏡が作られるがあまりよく理解していない人が作ると妙な獣が一杯存在する奇妙な鏡が作られたのかもしれない。

 

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