jo君のヨイトマケ奮戦記(15)
旧石器時代の石器及び礫群が発掘される!
遂に、二ヶ月以上経過した遺跡発掘現場では興奮に包まれている。続々と第二区の現場で石器群が発掘され始めたのだ。地層はⅣ層下部からⅤ層上部である。二万年前程度でしょうか?何れにせよ、旧石器時代の遺物の発掘であります。
黒曜石のナイフの出土ですね。右端が手に持つ部分か木の柄に固定する部分で左下が刃の部分ですね。
宮下君が懇切に説明してくれます。折れているので、未完成品か失敗作かもしれませんね?
綺麗な緑色をした石ですね。手のひら以上の大きさでかなり大型でした。
黒曜石の大きな塊です。加工前の原材料でしょうね?黒曜石の破片と石器と見られる礫群が直径3メータ程度のサークルで数箇所一度に発掘され、同じく、石器の礫群も同じように数箇所発掘されました。
全て二区の現場ですね。これは、かなり考古学会でも重要な意味を持つ発掘になるかも知れません。
発掘現場の写真ですが、遺物の三次元位置測定の為と図面とりと、光波による測量が即刻始まりました。
昔ながらの図面取りのようですが、最新のコンピュータを使用したリアルタイムの三次元座標位置測定という方法は無いものだりょうか?三方から写真を撮り、直ぐにコンピュータで画像解析して図面に落とす作業は出来ないのだろうか?
緑色凝灰岩の石器製作途中の遺物である。刃と柄の部分が判りますね?
宮下君の話では長い石器を削りだすのは至難の業だそうです。ハンマー石を手に持ち打ち付ける時の原石に対する打ち付け角度と、力の入れ方が大事だそうです。
これは、ハンマーヘッドではないだろうか?この石を手に持ち石器を製作していたと考えても不思議はないです。表面が磨耗し、手に握りやすい形をしていますね?割れたので、廃棄されたのではないだろうか?
明らかにここには、石器工房が存在したか?それとも、近くに工房が有りここに遺棄されたのか?と推測されますね。
黒曜石は黒曜石で固まって出土し、不思議に思いますね。しかし、何故遺棄する場所が集中して数メータのサークルで何箇所も近くで発掘されるんだろうか?
誰かが、当時は裸足で生活していたから、適当な場所に破片を捨てると足を負傷するからではないか?という御仁もいましたね。(笑)
黒曜石石器群の発掘現場です。土柱をたてて元の位置が判るようにして有ります。一つ一つの石器の位置測定を綿密に行います。
乾くので、時折水をかけてローム層の土が乾燥して砕けるのを防止し、夜はシートを掛け、一つ一つの土柱には土嚢を側に置き守ります。
(発掘基礎知識 スコリアについて)
昨日私は三度目の3メータ四方のピットを掘削していた時ですが、Ⅵ層が出ればそこからは、2メータ四方のピットの大きさでⅩ層まで掘削するのです。
Ⅵ層が判らないと仕事にならないのですね。この層は変わっていて、鋤簾をかけるとジャリジャリと音がする。そして、細かい黒いつぶや赤や白や細かい粒粒が見られるのだ。
そこで、先生の宮下君に穴に来て貰い講義を受けた。(笑)
これは、スコリアというものです!高校で地学を勉強した人々なら常識なんでしょうが、私は残念ながら地学は勉強していない。
参考: スコリア記事1
参考: スコリア記事2
参考: スコリア記事3
彼の説明では、Ⅵ層の土は鹿児島の火山の噴火の土が関東ローム層に積もったもんだと言う。要は噴火した時の軽石と同時に噴出された鉱物らしい。光を受けるとキラキラすると言う。
どうも、関東で考古学をやるのは、Ⅰ層からⅩ層までの各層の土質を熟知しないと商売は出来ないようだ。(笑)
色々と知らない世界があるもんだ。そして、彼は神田川の歴史と人間との関わりに関して面白い話をしてくれた。それは、又、機会があれば豆知識として開陳したい。
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