神河内(上高地) 逍遥記(5)
白樺荘~明神へのもののけの森散策 白樺荘のご紹介と明神への森の道 約1時間
河童橋たもとの梓川右岸にある老舗の宿です。穂高には一番近い宿ではないでしょうか?部屋から穂高連峰が眼前に迫る迫力ある部屋が特徴でしょうね。
たまたま、この宿を予約しましたが、対岸には五千尺ホテルも有ります。しかし、私はこの宿の方が好みですね。
晩飯です。数の子粕漬け、川海老・鱒桜寿司、蛍烏賊佃煮・赤梅、アマゴ南蛮漬け、一寸豆石垣寄せ、大鱒の洗い造り、吸い物は魚素麺と熱燗を飲むには宜しい肴です。
岩魚の塩焼き杏添え、胡麻豆乳豆腐も出てきました。写真は掲載しませんが、山の幸三種盛鉢、炊き合わせ、山菜の揚げ物、山独活等々の山菜、漬物が豊富にいただけましたね。
宿には読書・談話部屋が設けられています。沢山の山の関連本が蔵書されています。
私の好きな北杜夫さんの本も有りましたね。高校生の頃にはよく読みました。彼が信州の旧制高校時代の話は特に興味があり、大学でもワンゲルに進んだのは彼の影響が、少しあるかも知れません。
早朝ですが、窓を眺めると猿が来てました。(笑)何か木の上で食べているんでしょうかね?対岸の五千尺ホテルの前には猿の群が沢山歩いていました。特に何も悪さはしませんし、彼らに餌を与えないので、野生の儘過ごしているそうです。
マナーが問題ですが、神河内ではそのマナーが守られているのが嬉しいですね。
朝飯ですね。今日は往復22キロのトレッキングです。沢山食べておかねばへたります。昼飯はサンドウイッチとお稲荷さんを近くで購入し、ペットボトルには部屋のお茶を入れてリュックに入れました。
チョコとか飴とか非常食の類も必ずリュックには入れましょう。何があるか判らないし、山の天気は急変しますので、雨具の用意も忘れてはいけません。
早朝の部屋から眺める穂高は今日も素晴らしい。
本当に天気が良いのが続くものだ。私達が来る前日までは雨と霧に覆われていたのが、嘘のようである。日頃の行いが良いからでしょうね?(笑)
河童橋とお向かいさんの、五千尺ホテルさんともしばしのお別れですね。ここから梓川左岸を往復22キロトレッキングします。
アルプス一万尺という歌がありますが、それは三千メータですから、五千尺は約千五百メータという事でしょうね。神河内は千五百メータの標高に位置する場所でしたよね。
少し歩くと直ぐにキャンプ場が有ります。設備は整っている様子ですので、家族とか友人同士でも楽しめると思います。静かな森の中にありますからお勧めですね。
既に、一組の方々がキャンプをされていましたね。テントも貸してくれると思います。炊事場とか水場とか完備した施設が見えました。私はここでは経験が有りませんが、徳沢園では学生時代経験が有ります。
河童橋の繁華街?も近いので、何かと便利と思いますよ。
いよいよ明神までの路は鬱蒼とした精霊が住む太古の森であります。ここを歩くと、何か人間社会を忘れてしまいそうな雰囲気になります。
鳥獣保護区でもありますから、野生の鳥達が楽しげにさえずります。木も長い年月生きてきたんでしょうか、そして、人の手にかからない自然林が続きます。
太い木が倒れ、新しい若い木がそばで育っています。まさに自然の淘汰と生命が感じ取れます。
知りませんでしたね、シナの木が多い国という意味だったんだそうですよ!我々赤とんぼでは”シナベニヤ”という軽い強いベニヤを模型飛行機の素材として使用しますが、今迄は中国産のベニヤと勘違いしてました。(大笑)
(イチイ、アララギ)
伊藤左千夫、正岡子規を思い起こす木ですね。仁徳天皇の時代から貴族が持つシャク(聖徳太子さんの肖像画で手にお持ちのヘラみたいなもん)の素材だそうです。
木は赤く、果実は食す事が出来るが種には猛毒が含まれているので、食べると死にます。危険な果実なんですね。
そろそろ、もののけの森から明神岳が顔を出しましたね。そろそろ、神河内の聖域に入りましたよ。
この続きは又、次回です。
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Comments
Joさん
神河内(上高地)逍遙記(1)~(5)、萌える緑の奥に、湖、川、残雪の山々・・・素晴らしい風景、楽しく読ませていただきました。
ジョーさんが、自分の庭のごとく遊んでいた上高地、目をつぶり昔を回想して書いている文章のように感じました。多分、記憶に焼きついている上高地なんでしょうね(^O^)v
それにしても、車を入れない、餌をやらない。訪れる人間の数を制限する?これはないかぁ~これを守る。自然を守る鉄則ですね。知床は大丈夫かねσ(^◇^;)。。。
Posted by: 哲 | 2006.05.31 12:13 AM
テッチャン
国立公園とか鳥獣保護区とか現実的な難しい話は世界各国で色々と事情もあり、違うでしょうね。
スイスなんどは、観光が主産業ですから多くの人を受け入れて、それでいて如何に自然環境を守るか?という、矛盾した課題に取り組んでいますね。
日本は80%を山野に覆われた国で、且つ、昔から自然を敬うという、別な言い方では神が宿るという考えが有りますね。
ハイヒールを履いた女性が上高地をウロウロしてもスイスでは問題が無いのでしょうが、日本の神河内では私は違和感が有ります。
昔は丸一日をかけて徳本峠を越えて、苦労をして汗をかいた人々のみに許された神河内は今や、簡単に誰でもバスで入山できます。
それが悪いことではないのですが、やはり神が宿る場所であるという気持ちは持って欲しいですね。
里に於いても、神社やお寺や古墳のお陰で自然が守られたのも事実ですね。
神河内でも徳沢園とか横尾あたりは殆ど観光客は足を伸ばしませんので、まだ、もののけの森は安泰でしたね。涸沢、槍、蝶ガ岳に登山する人々には少し出会える程度です。
何時までも、多分、神河内は心ある人々により守られると思いました。オホーツも頑張って下さい。(笑)大丈夫でしょう。
Posted by: jo | 2006.06.01 10:00 AM