jo君のヨイトマケ奮戦記(4)
今日も夕焼けの富士が素晴らしい。遺跡発掘の作業からヨレヨレで帰宅して風呂に入り、ビールを飲む!疲れ果てた身体にキューとビールが染みる。そして、こんな素晴らしい富士を眺めることが出来る私は今、幸せの絶頂ではないでしょうか?
4月5日から始めた遺跡発掘のヨイトマケ人生も佳境に入りましたね。昨日は石器の槍の先とおぼしき物を発掘しました。折れた部分もそばで出現しました。
右の写真が石槍の先で左が折れた部分です。同僚の4歳年下の元銀行でお勤めの方と検証しました。縄文土器の破片は数多く発掘しているんですが、珍しく石器を発見できました。
ここは、縄文時代の層を発掘しているのです。そばでは、同僚の話では黒曜石が数多く発掘されたそうです。
このあたりの黒曜石は伊豆半島のものか、和田峠のものか二箇所がルートだそうです。ビニールの袋に入れて最後の写真撮影と測量が終わるまで放置されます。
石器が発見される場合は多く、尖った方が上の状態です。刃先が上で発見されるそうです。その理由は判らないけど、長い年月の間に重い部分が下になるんでしょうかね?このあたりの細かい描写が小説を書かれるお方には参考になると思います。(笑)
旧石器時代の発掘現場です。地層は岩盤のように堅くて現在専門の土木作業員の方々が担当しています。そして、大学の院生の若者が調査しています。
院生の話では、台形石器が発掘されたとの話でした。そこで解説です。石器には二種類あり、北方系統と西部系統が存在するそうです。西部とは西日本のことで東の限界がこの関東です。台形石器は西部系統の石器であるそうです。
西側から押し寄せた人々と北方から南下した人々がここ関東で衝突したんでしょうね。
これは、畑の跡です。どうも畝があり根菜を植えた跡です。江戸時代にここは畑だったようです。土壌が異なるもんが混じり、明らかに撹乱があるのですね。
丁寧に撹乱土壌を剥いでゆくとこのような畝が出現するのです。ホンマ考古学とは根気が必要な地味な作業の上で成り立つ学問なんですね?
これも、縄文時代の遺跡です。縄文土器と石器が発掘され小山の上に存在します。これは、スコップで掘削した時にカチンと音がして、直ぐにスコップを止め、周囲数十センチの場所を残して掘削するのです。
すると、写真のように土器片を載せた土の山が残ります。そして、この平面を後に測量するのです。ほぼ同じ高さであることが判りますね。当時の生活面なのです。
遺跡発掘現場の写真です。巨大な発掘現場であることがお判りでしょうか?素晴らしい環境に遭遇できたのが幸せだと思います。
さて、休み時間で色んな人々と会話が弾むわけですが、面白い話を少しご紹介します。
(カラスはペットになる話)
この遺跡のそばには森があり、多くのカラスの棲家なのです。そこで、ある人がカラスはペットになりますよ!と言うのです。野生の象徴のように考えていた私は衝撃でしたね。餌をやり手なずけるとペットになるそうです。何時もあとをついてくるそうです。これは、本当だろうか?
(雀の捕獲方法)
福島県の田舎育ちの方が言うには、雀を捕獲する伝統的手法があるという。先ず、お米を酒に浸すそうだ。そしてその米を撒くと雀は酔っ払い、簡単に捕獲出来て焼き鳥に出来ると言う!これ、ホンマなんでしょうかね?
ともあれ、楽しい発掘生活は佳境に入りました。
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Comments
昨日の富士は迫力がありました
最近めったにクリアな富士の夕景は見られません。
それでも昨日は国立からでも見事な夕暮の富士が見えました。
この季節、多摩地区から見ますと太陽がずいぶん北に沈みますので富士は北側から太陽光を受けるのですね。
富士の北側斜面の雪が、灰色のシルエットの中、鈍く銀色に光って、異様な迫力がありました。
北斎や広重が富士に見入られたのも分かりますね。
自宅から眺められるとは・・・うらやましい。
コンピュータを卒業して遺跡の発掘作業員ですか。
最先端と太古の昔と。
そのダイナミック・レンジの広さにいつも感心しております。
関東平野は陸だったり海だったりしたと聴いていますが、海だったときの痕跡は残っていないのでしょうか。
Posted by: ふうてん | 2006.04.22 05:53 PM
ふうてんさん
今日の富士は真っ白なお姿です。雪でも降ったんでしょうね?見事な白さで写真を撮りましたが、写りません。
毎日そのお姿が変化するのも、富士の不思議ですね。
関東平野は10万年前は海底でしたね、成田層と言うそうです。二万年前には火山灰が積もり始め、関東ローム層が形成され始めるそうです。そして、6千年前に縄文海進があり、かなりな部分が再度、海の下になります。
そして、縄文海進が収束し、海面が低下し、また、川による土砂流入により扇状地が広がり、火山灰も降り積もりながら関東ローム層が形成されます。
今でも、成田層からは貝殻とか海底の生物が採集されるそうです。我々が発掘してる場所は、縄文海進時代でも台地であった場所ですね。旧石器時代から人々が住めた場所の様子です。
考古学は土質に関する基礎知識が無ければ成り立たないようですね。勉強になります。周りの人々はとても、土質に関しては詳しいです。
Posted by: jo | 2006.04.22 06:18 PM
巨大な発掘現場なんですねえ。
ここまで整地されるのに、どれぐらいかかるんですか?数ヶ月?それとも数年?
このヨイトマケ記事が完成したら、ぜひ(目次)にして、いつでも見に来れるようにしてくださいね(笑)。
Posted by: ほかも | 2006.04.24 11:51 AM
ほかもさん
本格的な発掘は3月から始まりました。8月まで続く予定です。勿論、試掘は昨年に何回か行われました。
私は、海外移転の件もありそう長くは続けることは出来ません。しかし、今の毎日が充実しています。そして、新しい仲間が出来ました。彼は、発掘辞典を製作中です、毎日遭遇する具体的な物を写真にとり製作してます。
そのうち、彼の成果を紹介出きれば良いと期待してます。楽しいですよ~~~~!
Posted by: jo | 2006.04.24 09:28 PM