ノアの箱舟と天の磐船
お正月ですから、熱燗を飲み、煮しめを食べ、ワインを飲みハムをつまみ、喉が渇くとビールを飲む毎日。そして、酔うと布団に入り昼寝する。そうすると、この数ヶ月気になっている旧約聖書のノアの箱舟の創世記の神話の話とヤマトの天の磐船の関連についてアレコレ悩む事になる。
明らかに、遊牧民の思想であると考えられている天孫降臨の神話は無条件で私もそうだろうと考えてきていた。しかし、何で船で山の頂上に降り立つやろ?と、疑問は有りましたし、日本の国土を生む神話も泥をかき混ぜて雫で島を作るくだりなどは、旧約聖書と似てるのではないか?もともとが、何処かの場所で大昔に現実に起こった事件を語り継いだのではないだろうか?と、思うようになった。
(聖書地域の神話)
大英博物館の倉庫で発見された粘土板に刻まれた楔形文字を解読したのは、1872年のジョージ・スミス氏だったそうです。粘土板はイラク北部のテイグリス川河畔のニネベの遺跡で発掘された2万5千枚の粘土板にギルガメッシュ叙事詩、旧約聖書の創世記に記述されたノアの箱舟と殆ど同じ内容を発見した。
結論から言うと紀元前2800年頃にメソポタミアで起こった大洪水を語り伝えた話だそうだ。書かれたのは紀元前668年頃のアッシュール・バニパル王の時代だという。旧約聖書に受け継がれたのはネブカドネザル王のバビロンの幽囚事件ではないか?というのが、定説のようですね。
ユダヤ人にメソポタミアの神話が受け継がれた訳ですね。これだけではなく旧約聖書の創世記の話の地名は殆どがメソポタミアであり、この地は聖書ランドと呼ばれているそうだ。
(世界的な温暖化時代)
縄文海進時代はこれと同じ時代であり、現在より2度は温度が上昇していたそうです。気象異常ですね、それで海面が上昇し、世界的な大洪水も発生したそうです。この時期に海岸ちかくに栄えた文明とか島に栄えた文明が海底に消えたそうだ。日本の西日本の縄文遺跡が少ないのはこの理由だという学者もありますね。
日本では青森の三内丸山遺跡で縄文の文化が花を開いていましたね。同時に、鬼界カルデラの大爆発という海底火山の爆発が西日本を襲うのもこの頃ですね、これで西日本は壊滅したそうです。
(洪水の記憶)
人間の歴史で大洪水の記憶はもっと昔、氷河期が終わる頃に経験していたそうです。氷河が融けて大洪水を起こした経験をもっていたとか。ボスポラス海峡は氷河期には存在せず黒海も湖だったそうだ。そこに、氷河が融けた水が流れ込みボスポラス海峡を形成し、多くの島を海底に沈めたという。
(長江文明の洪水神話)
今後、調べてみたいのは長江の洪水神話ですね。チグリス・ユーフラテスが洪水をおこすのであれば、長江はもっと洪水の可能性がある筈ですね。長江文明は河口からスタートしたと記憶にあります。黄河文明より古いはずですね。
この文明、良ショ文明も洪水で壊滅したと記憶にあります。日本列島に最初の陸稲を伝えた文明です。最近のイネのDNA分析で伝播の歴史が解明されつつあります。であるとすれば、洪水の記憶が日本にも縄文時代に伝えられた可能性は高いでしょうね。
(選民、船、山)
これは、洪水ですね予め神より特定の人に洪水の予報を知らされ、彼は仲間とともに船を作り動物、穀物を船に搭載し洪水で船で航海する。カラスとか鳩で陸地を探す、旧約聖書では最後に鳩がオリーブの葉っぱをくわえて帰還する。
日本の場合はカラスである。これは、長江の文明にも共通する、神の使いがカラスである。そして洪水で陸地が見えず、何日も過ぎて陸地が見える、そこは山の頂である。旧約聖書ではアララト山である、記紀では高千穂の峰であり、先代旧事本紀では交野の峰に天の磐船が到着するのである。
(遊牧民は崇神大王より)
私は、今まで長く遊牧民、特に朝鮮半島経由の文化・文明の伝播を中心に考えてきていたが、蛇の信仰、鳳凰信仰、カラス信仰、水平の彼方からの霊、稲作、等々と長江流域の文化・文明に日本の古代の民俗は近いのでは?と、疑問を持ち続けてきている。
遊牧民の文化・文明は崇神大王の頃に朝鮮半島から伝播した動物に関わる疫病の関連より、アマテラスを伊勢まで放逐した崇神大王。以外に遊牧民と黄河文明は新しいのでは?と思うようになっている。
それ以前の日本列島には長江下流域の稲と海の人々の渡来のほうが、日本列島に影響を与えていたように思うようになりました。
(オノゴロ島と磐船)
泥を棒で掻きまして雫で島を作る話は明らかに洪水で水が引いいたあとに陸地が出来る考えですね。洪水神話の影響でしょうね。そして、選ばれた先祖が船に乗り災難を免れそれ以外は死滅する。そして、高千穂に到着する。そして、水が引く。国の始まりとする。
確かに記紀には洪水の話は出てこない、しかし船が山に降臨する神話はどう考えてもギルガメッシュ叙事詩の状況証拠の方が判りやすい。長江流域にも同じような神話が無かったんでしょうかね?それとも、メソポタミアの神話がシルクロードを経由して日本に伝播したんでしょうか?
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Comments
[蛇の信仰、鳳凰信仰、カラス信仰、水平の彼方からの霊、稲作、等々と長江流域の文化・文明に日本の古代の民俗は近いのでは?]
この考えはMuの基底に貼り付けておきます。長江文明ですね。そうですね、朝鮮経由だけではなっとくできないものが、たくさんありますから。
[船が山に降臨する神話はどう考えてもギルガメッシュ叙事詩の状況証拠の方が判りやすい。長江流域にも同じような神話が無かったんでしょうかね?それとも、メソポタミアの神話がシルクロードを経由して日本に伝播したんでしょうか?]
メソポタミアと皇室との関係は、一冊よみました。菊の紋章なんかそっくりらしいですが、しかし本邦の菊紋章は、未調査ですが、菊帝(後鳥羽院、13世紀)由来と覚えていますので、ちと変です。
ただ、メソポタミア文明の残滓残照がシルクロード経由で、古い時期に本邦に上陸したのは、なんとなく確信を持っています。スサはスーサとか、高橋『龍の棺』という大作で、イメージが喚起しつくしました。
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Posted by: Mu | 2006.01.03 03:18 PM
Muの旦那はん
せんせも好きやね?(笑)この手の話題はね。ヘヘ
金子史朗さんの話では、古代ペルシャ湾は随分と奥地まで海岸線が広がっていたそうですね。バビロニアの近く迄、海だったそうだ。
毎年、チグリス、ユーフラテスの川は土砂を運ぶそうで、どんどん海岸線が後退している。
黄河はこの2500年のあいだに、1500回氾濫したそうだ。そして、毎年16億トンの土砂を黄河下流に運んでいる。
黄海から東シナ海の海底調査で古代の黄河、長江の川の跡を追跡調査してるそうです。黄河は幅600キロで単調な浅瀬を五島列島近く迄伸びているそうだ。
日本列島は多民族が北から朝鮮半島から中国から南方から沢山の人々が押し寄せてきたんでしょうね。混血という意味では世界に冠たる(笑)民族かもしれない。
アメリカを司馬さんは旅をされ、焼き飯みたいな国だと評されていましたね。各民族は溶け合わないのだ、欧州では皆殺しするか追い払う、日本列島ではこれ以上行き場が無いし、溶け合うしか道はないのだ。
日本の神話も色んな民族の話が溶け合っているのかも知れませんね。
菊の紋章はMuさんのお話の通りですね。しかし、法隆寺のエンタシスの柱とか西洋の香りがしますね。
Posted by: jo | 2006.01.03 07:33 PM
神話のことなど
白川静さんや大野晋さんなども神話というものにいろんな形で言及されていますね。
言葉の起源を辿ろうとする時、一番古いものは神話なのでしょうか。
言葉が伝播すると共に、神話も伝播したのではなかろうかと考えても不自然ではないような気もします。
トランペッターK.T.に言わせるとユダヤ人は発祥の地から西と東に流れたそうですね。
東に流れた中の一部は勿論日本までたどり着いて日本の国家形成に大きな役割を果たした、というのですから恐れ入ります。
Posted by: ふうてん | 2006.01.04 12:40 AM
ふうてんさん
そういえば、トランペッターのK氏は活動拠点が海外でしたね、それにユダヤ人に詳しいと、お話されていたのを思い出しました。
どうも今まで、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教とルーツは同じであり、砂漠の宗教と考えていたのですが、修正が必要かも知れませんね?
神話の舞台がメソポタミアという事になれば、話は全く異なります。ここは、水の都です。
これほど、歴史のある場所が今や戦場と化していますね?戦争をしかけた人々はこの悠久の歴史を存じているんでしょうか?聖地ではないですかね?
Posted by: jo | 2006.01.04 11:29 AM