三輪山セミナ(2005) その一
昨年、初めて東京で三輪明神大神神社主催の”三輪山セミナー”が開催され、今年が二回目である。昨年は、奈良で毎月開催されている、三輪山セミナー100回記念という事もあり、東京で開催された。私も、昨年より参加させて頂いている。
(西宮 一民先生 講演感想)
・先生ご紹介
先生は大正13年お生まれで、奈良県桜井市多武峰の談山神社の社家にお生まれだそうです。京都大学文学部を卒業され、その後、帝塚山学院短大助教授、皇學館大学教授、学長を経験され平成12年に勲三等を叙勲された。古事記、日本書紀の研究家として著名である。
・”ヤマト王朝と三輪の大神”講演題目
(1)ヤマト王朝の定義
先生は第一代神武天皇から第十二代景行天皇までの時代を、奈良県内に王宮が営まれた最も古い時代という事でカタカナでヤマト王朝と定義。考古学者とか歴史学者でも色んな説があり、普通私が勉強した先生達は王権という言葉を使います。
朝廷という言葉は中国の律令制度導入以降の朝と庭と法制度の確立が前提という難しい事を言う学者が多いですね。カタカナを使用された理由は、漢字だと、新しい時代のイメージが浮かぶので、又、漢字は意味を持つので、今回は正確に上記時代と場所を限定して、ヤマトと記述。
(2)ヤマトの意味
奈良県を表わすのに何故ヤマトと言うのか?今日のセミナーの新学説であり目玉である。長い研究生活の末に辿り着いた新説である。先生は伊勢にお住まいであり、最近突然に閃いたのは伊勢神宮の遷宮の事からだそうです。
2013年には伊勢神宮の遷宮が予定されております。今般、山口祭が執り行われ、先生はこの山口祭に注目された。
参考 伊勢神宮 神宮司庁 山口祭参照
所で、ヤマトのトは乙類のトだそうですね。山の門(ト)は甲類だそうで、山のある処(ト)も甲類であり、山の本(モト)のトは乙類だそうだ。そうすると、ヤマノモトが源義となり音縮約説によりノ、モが省略されヤマトと発音されるようになった。山の本(山の山麓)という意味であるが、これでは日本列島の何処にでもある風景である。
そこで、山口祭をヒントに山という意味は、住居建築用材を伐出す山の意味ではないか?と、辿り着いた。
延喜式を調べると山口神社は全国に15社存在した。山口神社とは建築用材を伐出す山を祀った神社である。15社のうち14社までがヤマトに集中している。(1社は山城国愛宕郡にある山口神社)
これは、他国に見られないヤマトの特徴であり、大和盆地は青垣山に囲まれ、その山麓に王宮が営まれたのである。しかし、藤原京の時代には近江の田上山(大津市南部上田上カミタナガミ)に頼らざるを得ない状況になった。従い、藤原京の時代より遥か昔の記憶がヤマトの語源ではないかという結論になる。
・・・・・・続く・・・・・・・
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