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日本の現状 大きな踊り場(2)

企業について考えてみましょう。私達が馴染み深いのは株式会社である。

(株式会社のルーツ)

東インド会社にルーツを求める説が有力である。船を建造する、そして貿易の品を用意する必要がある。その為には資金が必要になる、そこで株式を発行した。リクスの多い投資である、しかし無事航海が終わり船が帰国した時には膨大な利益が生じる。

これが、現在の会計の決算という概念である。現在の企業は3ヶ月とか半期とか年度決算と呼んでいる決算はこの、航海の終わりを踏まえている。この頃は数年を必要としたであろう、過去の決算は今や月次決算、忙しい企業は月次決算である。

以前、私の会社のお客様である有名企業を訪問させて頂いた時に、部屋にはガラスのケースに守られた大きな分厚い総勘定元帳が飾ってありました。確か1900年の年号でありました。坂本竜馬の海援隊を受け継いだ、多分、日本では一番古い株式会社でしょうね。

(ベンチャーのルーツ)

私がシリコンバレーに赴任した1982年には既に、ベンチャーがシリコンバレーでは雨後の竹の子のように存在した。
ベンチャーに関しては、当時、富士通の鵜飼氏より何回も講義を受けた。彼はNHKのプロジェクトXでも登場したが、アムダール氏と池田敏雄の指揮下でベンチャー企業の”AMDAHL”を創設サポートをしていた。

鵜飼氏は多くのベンチャー企業に関する論文を残されており、特に、起業家に関する論文は素晴らしい。書かれた年代は1970年代である。コンピュータの方式設計の世界のトップクラスである技術者が米国のベンチャーと起業家に興味を抱いていた。今でも読み返せば素晴らしい、現在も通じる論文である。

スタンフォード大学の位置するパルアルトに最初にHP(ヒューレットパッカード)のベンチャーが生まれた。輝かしいベンチャー企業群の草分けの誕生である。その後、企業群は南下して今のサンノゼまで広まってしまった。

アメリカを支える電子工業と通信工業そしてソフト産業はここに開花した。凄まじいベンチャー企業のエネルギーが渦巻き、東海岸のボストン工業地帯を蹴落とした。勿論ボストンのルート128の連中も頑張ったが、この西海岸のシリコンバレーの勃興の若い力の前では太刀打ち出来なかった。

(技術のベンチャー)

私が赴任した時代のベンチャー企業は殆どが、技術系のベンチャーでした。資本投入を持ちかけられた企業に対して富士通とのパイプ役を数多く手がけた。この時にアドバスをくれたのは鵜飼氏と古河氏でした。

例えば、SGI(シリコングラフィック)の草創期の頃、会社を訪問して開発途上のマシーンの説明を富士通の吉岡氏と受ける。吉岡氏は当時、富士通の本体事業部の親玉でした。ORACLEからは、資本の投入を求められ、訪問する。

当時富士通はアムダールのベンチャー企業を支援して、成功しており米国のベンチャー企業からは、理解ある企業として認められていた。特にコンピュータ、半導体、磁気装置の分野では富士通は多くの米国ベンチャー企業を支援した。

殆どが技術系のベンチャーであり、起業家は技術系の人間であり、夢を語り楽しい未来を語り合った。技術で勝負するのが当時のベンチャーでしたね。私は、忘れてはならないのは、光り輝く技術をベースに起業家が生まれる風土が好きです。最近の、日本の起業家を見てると、目立つ人は金融起業家のような気がする。

(優良企業を創り出す風土)

日本が決定的に米国より不利にあるのは、ベンチャー企業を生み出す風土と支援システムの欠如であると思う。企業は競争の世界にあり、しかも世界を相手に戦う宿命にある。次々と、若い新しい企業を生み出さねば、明日の国は存在しない。起業家が一度の失敗で生涯立ち直れないような風土では、明日の国のかたちは無い。

日本の踊り場の10年は賞味期限の切れた会社を守りすぎたのでは、ないでしょうか。多分に米国人の目からは不思議に見えるでしょうね。企業には賞味期限が存在する。

私は日本の踊り場から、新しい階段を創造してゆく連中と仕事をしたいし、自分も何が出来るのか、これからも考えてゆきたい。


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Comments

(1)(2)と読んできて、~
自戒と工夫ひとつ

 私も技術系起業が好みです。物をつくる(ソフトであれハードであれ)のが好きだからです。当然他人の作った物も感心することがとても多い。なんとなく金融起業系をみると、身が引きます。しかたないです。これは、性分ですね。

 で、自戒。
 賞味期限の切れた企業→賞味期限の切れた人間
 これがするどくこたえましたなぁ。
 40日間も読書ばかり(しかできなかった)していると、どろーんと、脳が黒くなってきましたね。
 そろそろ、賞味期限が尽きたかぁ、と深夜つぶやいておりました。

 なかなかに、きついものです。
 で、工夫。
 賞味期限の切れかけから、なお、役にたちそうな脳細胞やその他をかき集めてきて、シャーレにいれて培養液をそそいで、もう一花さかぬものかと、ね、てへへ。

 もうすぐ春です。
 新生の春だから、桜を写してblogに掲載するころには、いま書いたことなんか、けろっと忘れて、わやわや騒がしくしていることでしょう。
 いや。そうありたい。

 JOさんも、総入れ歯の前に、Tボーン・ステーキでも、もりもり骨ごと食べておいた方がよいかな。

Posted by: Mu | 2005.03.13 01:53 PM

Muさん

賞味期限という言葉は過ぎましたかね。しかし、ワインのように年数を重ねる程に味わい深いものになる物もあります。

私の分類では、文化に関わるものは本物は時代が過ぎるほどに円熟味を増し、且つ素晴らしい輝きを放つ。

お酒は私の分類によれば、文化に属します。スコットランドのフイスキー(ウイスキー)も、海草とピートの香りがします。

ブルゴーニュのワインも石灰岩の土地と向日葵(ひまわり)の香りがすのではないでしょうか。何処までも続くなだらかな丘には向日葵の畑が続き、葡萄畑が広がる。

企業というのはこのような、永遠の文化の海に浮かぶ、うたかたのようなものです。一生懸命にボートを漕がねば沈むし、敵に沈められる。

企業は限りある生命を義務ずけられた人間の集団であるわけです。ですから、伊勢神宮のように20年単位で建て替えるのがベストかもしれない。

ご忠告に従い、今のうちにTボーン・ステーキ食べておかねばならんようですね。(笑)

しかし、最近は魚とか野菜とか高野豆腐とか精進料理みたいなのが、好きになりましたよ。

Posted by: jo | 2005.03.13 03:53 PM

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