新説 秋の夕暮れ編
『こころなき 身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ』の解釈論を展開しました。今度は新たな解釈を追加したい。
(白川静先生に聴く)
先生の『漢字百話』を読んでいると、古代の宗教の章に於いて、『鳥形霊』について御説明が有りました。
『神話的な世界観のなかでは、鳥獣はみな精霊であり、精霊の化身であった。』と。鳥の象形文字より生まれたいろんな漢字の御説明もあり、例えば、進(すすむ)という漢字も旁の字は元々、鳥らしい。鳥が神の使者として飛ぶ姿が進だそうだ。
ともあれ、『鷹狩り』も宗教的な意味があったらしい。もともとは『誓(うけひ)狩り』と鷹狩りを呼んだそうだ。
そして、『鳥となって奪去した祖霊は、季節を定めて故郷の水辺 に戻る。群をなして時処をたがえずに帰り来る渡り鳥の姿を、人びとは祖霊の化身と信じた。』
(とすれば)
西行さんが秋の夕暮れで見た鴫(しぎ)という渡鳥は、西行さんの目には鳥ではなく、ゆかりの人の霊魂であった可能性が高い。鳥なんぞは見ていない、死んだゆかりの人の霊を眺めていた。
古代より、『ヤマトタケル』の白鳥伝説とか、そもそも神社の結界には『鳥居』がありますね。そして、神武天皇を導いたのも『八咫烏』でしたね。
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Comments
JOさん
最後の「とすれば」以下が効いていますね。
特に、鳥居って、やはりなにかあるのかな。
うむ。
Posted by: Mu | 2004.12.04 02:51 PM
Muさん
昨日から風邪をひいて、臥しておりました。いろいろ仕事でも有りまして、少し、疲れが溜まりました。
さて、鳥居ですが、これが昔から謎でした。未だ、解決はしていません。しかし、例えば、日本の鮒寿司(なれずし)と同じ製法で食べている、苗族(ミャオ族)の人々の世界でも鳥居がある。
村の入り口には、簡単な木をゲート状にした物がある。その上には鳥の置物を何個も並べている。門に、鳥がいるんです。
私は、鳥は神聖なものと古代の人は考えたと思います。今でも赤とんぼでは、ラジコン飛行機を飛ばしています。これは、古代から受け継いだDNAをまじめにお守り申し上げているだけなんです。
Posted by: jo | 2004.12.04 07:13 PM