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黄泉の国の考古学

”黄泉の国の考古学”  辰巳和弘 講談社現代新書 ISBN4-06-149330-2 650円 1996年11月 

(帯情報)
海沿いの洞穴遺跡から出た舟形の木棺は何を意味するか。
古墳壁画に描かれた霊船や太陽や馬は?
”遥か彼方”に他界を見た古代人の心を再現し、考古学の常識を覆す画期的論考。

(目次)

・くつがえる古墳時代観
・舟形木棺の発見
・”籠もり”と”再生”の洞穴
・他界への旅立ち
・船葬論争
・古墳壁画の世界
・天翔る霊船
・霊魂を運ぶ馬
・形象埴輪の思想
・彼の国・常世の国

(死後魂は何処へゆくか?)

さて、死んだあと魂は何処へ行くのでしょう? 葬送儀礼とかお墓の造り方にそれは現れると思います。葬送儀礼とかお墓はなかなか時代が変化しても、保守的で民族は変えようとしません。

遥か海の彼方にあの世がある。天空にあの世がある。山の中にある。 地中奥深くにある。概略以上の範疇に分類されといいます。著者は多くの誌面を割いて船葬を論じておられますが、別に古代人は色んな”あの世観”を持っていたと論じています。

海の彼方であれば、棺桶を船の形にして葬送しますね。今も沖縄ではお盆では先祖が海から来られます。
感動的なのは、子供のお墓で”アジサシ”を抱いて葬送した例が記述されていました。天空の彼方に導いて欲しいのか、又、アジサシのように蘇って来てくれるのを願望したのか、判りません。

(前方後円墳 論考)

氏は前方後円墳について、”壺形の宇宙”説を述べています。始皇帝の時代、蓬莱・方丈・えい州という仙人が棲むといわれる三神山の思想がありました。この三神山は三壺山とも呼ばれそれぞれ、蓬壺・方壺・えい壺と呼ばれた。壺のような形をしていたからだそうです。不死の理想世界は東海に浮かぶ壺形の山であると。

同時に、葺き石を古墳には敷設したので、磐座信仰とも関係が深いと論じています。

(滋賀とある田舎の葬送儀礼)

私の家内の親戚が滋賀の安土近くのとある、村であるが、不思議な葬送儀礼に立ち会う事になった。
20年以上も前の話ですが、親族の男ははだしになり、白の装束にて頭には白い三角の鉢巻をして、棺桶を担ぎ野辺の道を行きます。土葬ですね、最後に墓場では蓋を開け最後の別れの儀礼をして沈めて行きます。

自分の意思で葬式は決める事が出来ますが、さて、葬式は周りの人々がするもんですね。これが難しいです。

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Comments

JOさん
 最後の話が、いまだに残っています。
 しかし、最近いつもJOさんの単純明快な解答をまつようになってしまった。
 そばに、よい先生がおると、つい頼ってしまうね。

http://asajihara.air-nifty.com/mu/2004/04/post_26.html
この3番目のコメント。

Posted by: Mu | 2004.06.20 09:07 PM

Muせんせも海部族には御興味が強いと思います。
神社は昔、杜といわれていました。鬱蒼とした杜が神社ですね。
その神社には必ず、クスノ木があります。これは、海部族が上陸して最初に植える木だそうです。
船の建材ですね。硬くて丈夫で、幾多の波頭を乗り越える事が出来るそうです。家が檜ですがね。これは明確に古代では決まっていたそうです。
田舎の葬送儀礼は興味あります。権力者ではない、民間の風習に歴史を解く鍵があると思います。

Posted by: jo | 2004.06.20 10:06 PM

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