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テントの中の怖い小話 抜けないペグ編

小学生の時代はボーイスカウト、中学からはワンダーフォーゲル部に入り、遂に大学時代迄、体育会ワンゲルに属すという野山を彷徨う瘋癲生活を経験した。

何時の頃か忘れたが、テントの中では時折夜、先輩が怖い怪談をしていた記憶がる。全ては、山に関係する話であり下界の娑婆の世界の話ではない。今回はその中で一つ御紹介します、怖い話なので心臓の悪い人は読まないようにお願いします。

(抜けない ペグのお話)

季節は初夏の頃、後立山連峰を縦走していた、もう一週間も縦走を続けており野口五郎岳を過ぎもうすぐ、雲の平の幕営地に着こうとしていた。
しかし、急激に天候は変わり、稜線はガスに包まれ激しい雨が足の下から吹き上げ身体を吹き飛ばす勢いになった。風速30メートルは超えているんだろう、キレットのガレキ場は危険なので、稜線上の這い松が所どころに背丈5~60cmで群生している場所で身をかがめ、風の勢いが少し収まるのを待つ。

単独行であるのだが、どうも人の気配を感じるようになって来た。しかし、廻りを見渡しても誰もいない。存在するとすれば這い松の根っこに身を潜めている雷鳥くらいだろう。
天候好転の見込みが無いのと、夕暮れも迫っているので、少し前進して水晶岳のコルでビバークをする事に決める。そこなら、残雪も多く残っており雪を溶かせば水の心配も無い。

雪渓の上に一人用の冬季用の蒲鉾型のテントを設営する。この天幕は風速50メータであろうが耐える事が出来る二重張りのテントである。コッヘルに雪渓の雪をぶち込み、ガソリンの炊飯器ホエーブスを点火する。外の雨と風は止みそうにない。簡単な味噌汁を作り、そこに餅をほりこむ。
気のせいか時折、かすかな人の声が聴こえる気がする。
非常食のチョコレートも出し、明日早朝3時頃には雲の平から黒部五郎越えで薬師岳のコルに抜けるか、最悪は水晶の隣の赤牛岳から一気に山を下り針ノ木沢に避難する。明日の幾通りかのルートを五万分の一の地図を懐中電灯で照らし、作戦を立てる。

寝袋に入っても、微かに、人の声が聴こえる、風の悪戯だと判断して寝る。次の日の朝丁度3時に起床する、幸いに雨と風の勢いが無く、なんとか縦走は出来そうである。

テントの撤収を行うが、どうしても1本のペグ(注: テントの設営時に紐を固定する為の金属杭) が抜けない。
おかしい、雪渓の上に設営しているので、抜けない筈は無い。

しょうがないので、小型のシャベルを取り出し、ペグの廻りを掘り始めた。あ~~これからの話は恐ろしくて出来ない。

『信州山岳警備隊の証言』

雪を掘り出してみると、ペグをしっかり手で握った遭難者が発見された。冬季、後立山連峰を縦走すると言って行方不明になった登山家でした。

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「旅行・地域」カテゴリの記事

Comments

こわいなあ。
もし雪女ならわらけるけど。
おじさんが、氷漬けなんて。

Posted by: MuBlog | 2004.06.07 04:41 PM

雪女はもっと怖いで~~~。

Posted by: | 2004.06.07 05:09 PM

 雪山歩きはしないのですが、スキーには毎年行ってます。
 岐阜や福井で日帰りというパタンが一番多いのですが、年に少なくとも一回は遠出をすることにしていて、信州にも行きます。
 私が行くと割に吹雪くことが多いのですが、遭難しないように気をつけます。

Posted by: 羊 | 2004.06.07 06:48 PM

最近のスキー場は噂では殆ど、スノボーとかいうもんやるそうやな?昔の、ニッカー・ボッカー穿いて滑ると古代人みたやろな~~?だけど、新雪には強いよ。重心を後にして、フランス・スキーの要領でつま先を上げるとうまいこと滑れます。

Posted by: jo | 2004.06.07 08:36 PM

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