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杜甫の 旅

『杜甫の旅』 田川純三 新潮選書 ISBN4-10-600435-6 1200円 1993年4月 初版

(帯)

生涯を旅に終えた漂泊の詩人杜甫。その旅は、例えば安禄山の乱を避け、
妻子を伴って長安を脱した黄土の道で、泥濘に足を取られ飢えと寒さに
見舞われるなど、艱難多いものであった。
それから、千二百年後、黄河取材をはじめとする、度重なる私の中国の旅
のなかで、杜甫の旅は他人事ではなくなっていた。
そして今、中国理解の為には何よりも歴史と現代の対話を、と心がけている
私にとって、杜甫はたしかで手ごわいキャッチボールの相手となっている。

田川純三

・終始中国関連の番組を多数手がけ、『シルクロード』、『大黄河』の二大
特集番組のチーフデイレクターをつとめた。
・平成元年退局し、静岡精華短大で中国文化史、中国文学を講じた。

シルクロードも大黄河もともに大好きな番組でした。デイレクターが番組を現場
で指揮する役目です。 その人が杜甫の恵まれない人生模様と彼を取り巻く
中国の歴史を描写して、そして、その時の気持ちを表現した、『杜甫の詩』を
記録した。

楽しませて頂いた本です。

(春 望)

国破山河在 国破れて、山河あり
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濯涙 時に感じて花にも涙をそそぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んで鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火 三月に連なり
家書抵万金 家書 万金にあたいす
白頭掻更短 白頭 掻けば更に短く
揮欲不勝簪 すべて 簪にたえざらんと 欲す

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Comments

jo さん
 漢文は若年からすきでした。
 日本語に翻訳した、この手法はいつも感心しています。
 似たような漢字を使って、少し意志が通じ、それを日本語読みにしてしまった。ホントに感心します。

Posted by: MuBlog | 2004.06.11 06:03 PM

漢詩 白文を返り点とか色んな手法を編み出して、大和言葉にしました。それでいて、韻文の香りを残す。素晴らしい先輩達に感謝です。日本人はもともと詩的な言葉が好きですね、俳句がそうだと思います。今回、フランスから客人が来ましたが,いたく芭蕉に興味があり京都の芭蕉庵で沢山土産を買ったそうです。
不思議やね~~。

Posted by: jo | 2004.06.11 08:07 PM

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