西安の月
飛鳥、平城、平安京を愛する人ならば、一度は長安(西安)を訪れ昔の日本人が憧れた都とは如何なる空間なのか?時代は変われど、昔の残影を捜し求める旅に出たいと思うのではないでしょうか。安部仲麻呂が祖国の望郷の念にかられ、仰いだ月はどんな按配か?唯一、数千キロ離れた大和と長安をリアルタイムで繋ぐものは月であったと思う。当時は携帯電話もないし、FAXもインタ-ネットもない時代である。私は、今も残る長安城の城壁に登り月をみました。観光客をあいてに夜、入城の儀式というものを現地の観光局の公務員の方々がされています。当時の服装で門の周りに立ち並び、迎えてくれ入城の許可書をくれます。記念撮影もさせてくれるし、少しは当時の雰囲気を味わう事が出来ます。幅数メータもある城壁の上を延々と歩く事が出来ます。当時、世界の中心であった長安の都にいるんだと思えば、周りは真っ暗なのでイメ‐ジはいくらでも広がります。玄宗皇帝と楊貴妃の保養地の温泉も車で一時間位で訪問出来ます。夜の屋台は是非お勧めしたいですね、道端に夜店のように色んな屋台が並びシシカバブ-を頼めば、針金にミミズみたいな貧弱な肉が絡まった焼肉を食すこと出来ます。トイレが無いので、暗闇を探し、密かに、雉を撃ちに出掛けると(山男の隠語です、トイレのこと)物売りの女の子が纏わりつき往生します。中国語が喋れればどんなに、楽しいか?残念至極であります。西安の路地では夜の9時過ぎ迄、昔の日本のように縁台将棋・・・ではなく、トランプをされています。家の中が冷えればお家に入る。歴史博物館は大層なものでしたね。国家資格が無ければ、観光客のガイドは出来ません、皆さんよく勉強されていました。帰りの空港までの車窓は砂嵐の吹きすさぶユ-ラシア大陸の巨大さを感じさせてくれ、よくまあ遣唐使は辿り付いたと思いました。
« 妖怪旅日記 | Main | サンノゼ 小学校風景 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- バンクーバ探鳥記録(2019.07.14)
- インド北部鳥見紀行 結果報告(2019.01.01)
- 琵琶湖水系の遺跡を巡る 目次編(2009.11.09)
- アンコール ワット・トム遺跡の旅 目次編「2007年の旅」(2009.04.29)
- 岩岳ちんぐるま 最新情報(2007.05.08)
Comments
JOさん
よいお話ありがとう。
西安はエドルン君が学生時代に行ったような記憶があります。
長安の春。
よろしいなぁ。
そうか。飛鳥、平城、平安、←西安。長安。
今生、行きたいね。
安倍仲麻呂さんのことは、芥川賞作家のだれかが書いた小説を読んで楽しみました。日本人が皇帝の秘書になるほどの才能って、どんなだったのでしょうか。人間って、すさまじい能力があるのですね。空海さんもスーパースターだったしな。
ともあれ、メナミでハモおろし。さらに、8月は隠岐島で温泉とうまいもんで、夢を語りましょう。
うむ。
体力をつけるために、鍛えます。
Posted by: Mu | 2004.05.15 07:20 PM
最近、杜甫の生涯を辿る本を読みました。本の名前忘れたけど、探せば有ります。彼の官僚としての立身出世と挫折、詩人としての苦悩、玄宗皇帝と楊貴妃の没落と長安の混乱!読んでいて、長安の都の流転を目の当たりにする感動でした。このような幾多の動乱を経験し、その喜び悲しみを包み込む都、長安は奥が深いです。日本にも誇れる都、飛鳥、平城(なら)、平安の都を持つことで対等の視点で世界を見れる気持ちになります。
Posted by: jo | 2004.05.15 07:43 PM