箸墓幻想
『箸墓幻想』 内田康夫 ISBN4-620-10648-8 ¥1700(税別) 毎日新聞社
(帯) 卑弥呼の墓とも言われながら、実像はベールに隠された奈良・箸墓古墳。その謎を追求していた、畝傍考古学研究所の元所長・小池拓郎が殺される。真相を追う浅見光彦を待ち受けていたのは、歴史を超えた、女たちの冥い情念だった。闇は御霊たちの呪いのように、冷たく、深いーー。やがて起きた第二の殺人に、浅見は・・。
私はあまり推理小説は読みませんが、この帯を読んで、買いました。もともと毎日新聞で連載されていたようですが、単行本になり始めて読みました。作者も回想されているが、連載中に不思議な偶然が沢山起こったのです。先ず箸墓の近くのホケノ山古墳の発掘です。最古の前方後円墳である事が判明、『画文帯神獣鏡』も発見されました。又、終了間際に桜井市の勝山古墳から出土した木材の年輪年代法によりこの古墳が二世紀末から三世紀始めの物理年代と橿原考古学研究所が発表しました。これは、邪馬台国論争を集結させる程の大発見でしたね。これで、箸墓古墳を含む巻向の年代が卑弥呼の時代に近くなり、従来の土器の形状による分類年代で言われていた年代が、もっと古い時代にシフトしました。テレビ番組で放映されたかは、知りませんが面白い、です。
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Comments
JOさん
うふふふ。内田さんは、今年数ヶ月お休みしてますが、この箸墓幻想なんて、発刊日に買って読みましたよ。
連載中は、毎週日曜版を待っていたけど、それは「いつおわるかな」「いつ一本になるかな」の楽しみでした。
だから、一本になるまで未読でした。
Posted by: MuBlog | 2004.05.13 03:13 PM
著者の回顧録では筋を立てずに執筆されるんですね?だから、どうなるか本人も判らん? 途中大きな事件が沢山起こり、特に、God Hand事件は毎日のスクープですね。流石、専門家ですな~初日お買いになるとは! プロローグは新聞には掲載が無かったそうですね? ハイハイ。
Posted by: jo | 2004.05.13 03:43 PM